ティェンタオの自由訳漢詩 明ー徐渭
明33ー徐渭 夜宿丘園 夜 丘園に宿す 老樹拏空雲 老樹(ろうじゅ) 空雲(くううん)を拏(とら)え 長藤羅渓翠 長藤(ちょうとう) 渓翠(けいすい)を羅(あみ)す 碧火冷枯根 碧火(へきか) 枯根(ここん)に冷(ひや)やかに 前山友精崇 前山(ぜんざん) 精崇(せいすう)を友(とも)とす 或為道士服...
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明35ー湯顕祖 秋発庾嶺 秋 庾嶺を発す 楓葉沾秋影 楓葉(ふうよう) 秋影(しゅうえい)沾(うるお)い 涼蝉隠夕暉 涼蝉(りょうせん) 夕暉(せきき)に隠(かく)る 梧雲初暗靄 梧雲(ごうん) 初めて暗靄(あんあい) 花露欲霏微 花露(かろ) 霏微(ひび)ならんと欲す 嶺色随行棹...
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明37ー袁宏道 病起偶題 其一 病より起ちて偶々題す 其の一 対客心如怯 客(かく)に対して 心 怯(おび)ゆるが如く 窺銅只自憐 銅(かがみ)を窺(うかが)って 只(た)だ自(みずか)ら憐(あわ)れむ 負暄疎敗髪 暄(けん)を負(お)うて 敗髪(はいはつ)を疎(くしけず)り 発篋理残篇 篋(きょう)を発(ひら)いて...
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明40ー鐘惺 答彦先雨夜見柬二首 彦先の 雨夜 柬せらるるに答う 二首 其一 其の一 蕭然形影自為雙 蕭然(しょうぜん)として 形影(けいえい) 自(おのず)から双(そう)を為(な)す 旅況郷心久客降 旅況(りょきょう) 郷心(きょうしん) 久客(きゅうかく)降(くだ)る 歴尽厳霜如落葉...
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明42ー譚元春 甁 梅 瓶 梅 入甁過十日 瓶(かめ)に入りて十日(じゅうじつ)を過ぎ 愁落幸開遅 落つるを愁(うれ)うるも 幸(さいわ)いに開くこと遅し 不借春風発 春風(しゅんぷう)を借(か)りずして発(ひら)き 全無夜雨欺 全(まった)く夜雨(やう)に欺(そむ)かるること無し 香来淸浄裏...
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明43ー王彦泓 余旧詩悉已遺忘 余が旧詩 悉く已に遺忘す 而して 而韜仲皆為存録展 韜仲 皆 存録を為す 展閲一過 閲一過 覚無端往 無端の往事 交々胸懐に集まるを 事交集胸懐恨然久 覚え 恨然 之れを久しゅうす 之 因呈四韻 因って四韻を呈す 不堪重対旧詩篇 堪(た)えず 重ねて旧詩篇(きゅうしへん)に対するに...
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明44ー陳子龍 小車行 小車の行(うた) 小車斑斑黄塵晩 小車(しょうしゃ) 斑斑(はんはん)たり 黄塵(こうじん)の晩(ばん) 夫為推 婦為挽 夫(おっと)は為(ため)に推(お)し 婦(ふ)は為に挽(ひ)く 出門何所之 門を出(い)でて 何の之(ゆ)く所ぞ 青青者楡療吾飢 青青(せいせい)たる者 楡(にれ)...
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清1ー銭謙益 柳 枝 柳 枝 離別経春又隔年 離別(りべつ)して春を経(へ) 又(ま)た年を隔(へだ)つ 揺青漾碧有誰憐 青を揺るがし碧(みどり)を漾(ただよ)わすも 誰有ってか憐れまん 春来羞共東風語 春来(き)たって 東風(とうふう)と共に語るを羞(は)ず 背却桃花独自眠 桃花(とうか)に背却(はいきゃく)して...
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清4ー銭謙益 燈下看内人挿甁花 燈下に内人の瓶花を挿すを看て 戲題四絶句 其一 戲れに四絶句を題す 其の一 水仙秋菊並幽姿 水仙(すいせん) 秋菊(しゅうぎく) 幽姿(ゆうし)を並ぶ 挿向磁缾三両枝 挿(さ)して磁缾(じへい)に向(あ)り 三両枝(さんりょうし) 低亞小牕燈影畔 低亜(ていあ)す...
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清7ー呉偉業 自 信 自ら信ず 自信平生懶是真 自(みずか)ら信ず 平生(へいせい) 懶(らん)は是(こ)れ真なりと 底須辛苦踏春塵 底(なん)ぞ須(もち)いん 辛苦(しんく) 春塵(しゅんじん)を踏むを 毎逢墟落愁戎馬 墟落(きょらく)に逢(あ)う毎(ごと)に 戎馬(じゅうば)を愁え 却聴風濤話鬼神...
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清10ー呉偉業 自 歎 自ら歎ず 誤尽平生是一官 平生(へいせい)を誤り尽くすのは 是(こ)れ一官(いっかん) 棄家容易変名難 家を棄(す)つるは容易なるも 名を変ゆるは難(かた)し 松筠敢厭風霜苦 松筠(しょういん) 敢(あえ)て風霜(ふうそう)の苦しみを厭(いと)わんや 魚鳥猶思天地寛 魚鳥(ぎょちょう)...
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清13ー顧炎武 精 衛 精 衛 万事有不平 万事(ばんじ) 平(たい)らかならざる有るに 爾何空自苦 爾(なんじ) 何ぞ空(むな)しく自ら苦しむ 長将一寸身 長(たけ) 一寸の身を将(もっ)て 銜木到終古 木を銜(くわ)えて終古(しゅうこ)に到る 我願平東海...
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清14ー黄宗羲 徐 夕 徐 夕 病骨支牀耐五更 病骨 牀(しょう)を支えて五更(ごこう)に耐(た)う 春来山鳥冷同聲 春(はる)来たって 山鳥(さんちょう) 冷やかに声を同じうす 無端世俗浮名重 端無(はしな)くも 世俗(せぞく)に浮名(ふめい)重きも 可験衰年道力軽 験(けん)す可し...
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清15ー宋 琬 舟中見猟犬有感二首 舟中にて猟犬を見て感有り 二首 其一 其の一 秋水蘆花一片明 秋水(しゅうすい) 蘆花(ろか) 一片(いっぺん)の明(めい) 難同鷹隼共功名 鷹隼(ようじゅん)と同(とも)に 功名(こうみょう)を共にし難し 檣辺飯飽垂頭睡 檣辺(しょうへん) 飯(はん)に飽(あ)き...
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清16ー施閏章 山 行 山 行 野寺分晴樹 野寺(やじ) 晴樹(せいじゅ)を分(わか)ち 山亭過晩霞 山亭(さんてい) 晩霞(ばんか)過(す)ぐ 春深無客到 春深くして 客(かく)の到(いた)る無く 一路落松花 一路(いちろ) 松花(しょうか)落つ ⊂訳⊃ 見わたせば...
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清17ー朱彛尊 雨後卽事 雨後即事 暑雨涼初過 暑雨(しょう) 涼(りょう) 初めて過(よ)ぎり 高雲薄未帰 高雲(こううん) 薄くして未(いま)だ帰らず 泠泠山溜遍 泠泠(れいれい)として山溜(さんりゅう)遍(あまね)く 淅淅野風微 淅淅(せきせき)として野風(やふう)微(かす)かなり 日気晴虹断...
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清19ー王士禛 秋 柳 秋 柳 秋来何処最銷魂 秋来(しゅうらい) 何(いず)れの処か最も銷魂(しょうこん)なる 残照西風白下門 残照(ざんしょう) 西風(せいふう) 白下(はくか)の門 他日差池春燕影 他日(たじつ) 差池(しち)たり 春燕(しゅんえん)の影 祗今憔悴晩煙痕 祗今(ただいま)...
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清23ー査慎行 舟夜書所見 舟夜 見る所を書す 月黒見漁燈 月(つき)黒くして 漁燈(ぎょとう)を見る 孤光一点蛍 孤光(ここう) 一点の蛍 微微風簇浪 微微(びび)として風は浪を簇(あつ)め 散作満河星 散りて作(な)す 満河(まんか)の星 ⊂訳⊃ 月のない夜に 漁り火だけが見えている...
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清24ー厲鶚 昼 臥 昼 臥 妄心澡雪尽教空 妄心(もうしん) 澡(あら)い雪(すす)いで尽(ことごと)く空(くう)ならしめ 長日関門一枕中 長日(ちょうじつ) 門を関(とざ)す 一枕(いっちん)の中(うち) 跂脚飛塵難我涴 脚(あし)を跂(つまだ)てば飛ぶ塵も 我れを涴(けが)し難(がた)く 支頤清夢許誰同...
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清26ー深徳潜 過許州 許州を過ぐ 到処陂塘決決流 到る処(ところ)の陂塘(ひとう) 決決(けつけつ)として流る 垂楊百里罨平疇 垂楊(すいよう) 百里 平疇(へいちゅう)を罨(おお)う 行人便覚鬚眉緑 行人(こうじん) 便(すなわ)ち覚(おぼ)ゆ 鬚眉(しゅび)の緑なるを 一路蝉声過許州...
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