ティェンタオの自由訳漢詩 元ー馬祖常
元9ー馬祖常 河湟書事 河湟にて事を書す 波斯老賈度流沙 波斯(はし)の老賈(ろうこ) 流沙(りゅうさ)を度(わた)る 夜聴駝鈴認路賖 夜 駝鈴(だれい)を聴いて路(みち)の賖(はる)かなるを認む 采玉河辺青石子 采玉(さいぎょく)河辺(かへん)の青石子(せいせきし) 収来東国易桑麻 収め来たって東国に桑麻(そうま)と易(か)ゆ...
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元10ー薩都刺 雨 傘 雨 傘 開如輪 合如束 開けば輪(わ)の如く 合(がっ)すれば束(そく)の如く 剪紙調膏護秋竹 紙を剪(き)り 膏(あぶら)を調(ととの)えて秋竹(しゅうちく)を護る 日中荷葉影亭亭 日中の荷葉(かよう) 影亭亭(かげていてい) 雨裏芭蕉声簌簌 雨裏の芭蕉(ばしょう)...
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元15ー王冕 墨 梅 墨 梅 我家洗硯池頭樹 我が家(いえ) 硯(すずり)を洗う 池頭(ちとう)の樹(き) 朶朶花開淡墨痕 朶朶(だだ) 花開けば墨痕(ぼっこん)淡し 不要人誇顔色好 要(もと)めず 人の 顔色(がんしょく)の好(よろ)しきを誇る 只留清気満乾坤 只(た)だ留む 清気(せいき)の...
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元17ー楊維禎 廬山瀑布謡 廬山の瀑布の謡 銀河忽如瓠子決 銀河 忽(こつ)として瓠子(こし)の決せるが如く 瀉諸五老之峰前 諸(これ)を五老の峰前(ほうぜん)に瀉(そそ)ぐ 我疑天仙織素練 我れ疑う 天仙(てんせん) 素練(それん)を織り 素練脱軸垂青天 素練 軸(じく)を脱して青天(せいてん)に垂(た)るるかと...
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元21ー劉基 春 蚕 春 蚕 可笑春蚕独苦辛 笑う可(べ)し 春蚕(しゅんさん)の 独り苦辛(くしん)するを 為誰成繭却焚身 誰(た)が為に繭(まゆ)を成(な)して 却(かえ)って身を焚(や)かるる 不如無用蜘蛛網 如(し)かず 無用の蜘蛛(くも)の網の 網尽蜚虫不畏人 蜚虫(ひちゅう)を網尽(もうじん)して...
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元23ー袁凱 京師得家書 京師にて家書を得たり 江水三千里 江水(こうすい) 三千里 家書十五行 家書(かしょ) 十五行 行行無別語 行行(ぎょうぎょう) 別語(べつご)無く 只道早帰郷 只(た)だ道(い)う 早く郷(きょう)に帰れと ⊂訳⊃ 長江の流れは 三千里...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 明ー楊基
明1ー楊基 感懐十四首 其六 感懐十四首 其の六 位卑諌勿直 位(くらい)卑(ひく)ければ 諌(かん) 直(ちょく)なること勿(なか)れ 直諌君心疑 直諌(ちょくかん)すれば 君心(くんしん)疑う 交浅言勿深 交わり浅ければ 言(げん) 深くすること勿れ 深言友誼虧 深言(しんげん)すれば 友誼(ゆうぎ)虧(か)く...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 明ー高啓(1)
明2ー高啓 梅花九首 其一 梅花九首 其の一 瓊姿只合在瑶台 瓊姿(けいし) 只(た)だ合(まさ)に瑶台(ようだい)に在るべし 誰向江南処処栽 誰か江南に向(お)いて 処処(しょしょ)に栽(う)うる 雪満山中高士臥 雪は山中に満ちて 高士(こうし)臥(が)し 月明林下美人来 月は林下に明らかにして 美人来たる 寒依疏影蕭蕭竹...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 明ー高啓(2)
明4ー高啓 登金陵雨花臺 金陵の)雨花台に登って大江を望む 大江来従万山中 大江(たいこう) 万山(ばんざん)の中(うち)従(よ)り来たり 山勢尽与江流東 山勢(さんせい) 尽(ことごと)く江流(こうりゅう)と与(とも)に東(ひがし)す 鍾山如龍独西上 鍾山(しょうざん) 龍(りゅう)の如く 独(ひと)り西上(せいじょう)し...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 明ー高啓(3)
明8ー高啓 雨中臥二首 雨中臥二首 其の一 牀隠屏風竹几斜 牀(しょう)は屏風(へいふう)に隠(よ)り 竹几(ちくき)斜めなり 臥看新燕到貧家 臥(ふ)して看る 新燕(しんえん)の貧家(ひんか)に到るを 居心上渾無事 閑居(かんきょ) 心上(しんじょう) 渾(す)べて事(こと)無く 対雨唯憂損杏花 雨に対して唯(た)だ憂う...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 明ー于謙
明11ー于謙 詠石灰 石灰を詠ず 千鎚万鑿出深山 千鎚万鑿(せんついばんさく) 深山(しんざん)より出(い)づ 烈火焚焼若等閑 烈火の焚焼(ふんしょう) 等閑(とうかん)の若(ごと)し 粉骨砕身渾不怕 粉骨砕身(ふんこつさいしん) 渾(すべ)て怕(おそ)れず 要留清白在人間...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 明ー沈周
明13ー沈周 梔子花詩 梔子花の詩 雪魄氷花涼気清 雪魄(せっぱく)の氷花(ひょうか) 涼気(りょうき)清らかなり 曲欄深処艶神精 曲欄(きょくらん) 深き処(ところ) 艶(えん)にして神精(しんせい) 一鉤新月風牽影 一鉤(いっこう)の新月 風 影を牽(ひ)き 暗送嬌香入画庭 暗(あん)に嬌香(きょうこう)を送って...
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明14ー李東陽 游岳麓寺 岳麓寺に游ぶ 危峰高瞰楚江干 危峰(きほう) 高く瞰(み)る 楚江(そこう)の干(ほとり) 路在羊腸第幾盤 路は羊腸(ようちょう) 第幾盤(だいいくばん)にか在る 万樹松杉双径合 万樹(ばんじゅ)の松杉(しょうさん) 双径(そうけい)合し 四面風雨一僧寒 四面の風雨 一僧(いつそう)寒からん...
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明15ー李夢望 秋 望 秋 望 黄河水繞漢宮牆 黄河(こうが) 水は繞(めぐ)る 漢宮(かんきゅう)の牆(しょう) 河上秋風雁幾行 河上(かじょう) 秋風(しゅうふう) 雁(がん) 幾行(いくこう) 客子過濠追野馬 客子(かくし) 濠(ほり)を過ぎて野馬(やば)を追い 将軍鞱箭射天狼 将軍...
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明19ー何景明 鰣 魚 鰣 魚 五月鰣魚已至燕 五月 鰣魚(じぎょ) 已(すで)に燕(えん)に至り 茘枝蘆橘未能先 茘枝(れいし) 蘆橘(ろきつ) 未(いま)だ能(よ)く先(さき)んぜず 賜鮮遍及中璫第 鮮(せん)を賜(たも)うて遍(あまね)く及ぶ 中璫(ちゅうとう)の第(てい) 薦熟応開寝廟筵...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 明ー王守仁
明21ー王守仁 闕 題 闕 題 金山一点大如拳 金山(きんざん)一点 大なること拳(こぶし)の如し 打破維揚水底天 打破(だは)す 維揚(いよう) 水底(すいてい)の天(てん) 酔倚妙高台上月 酔(よ)うて倚(よ)る 妙高台上(みょうこうだいじょう)の月 玉簫吹徹洞龍眠 玉簫(ぎょくしょう)...
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明23ー唐寅 散 歩 散 歩 呉王城裏柳成畦 呉王(ごおう)の城裏(じょうり) 柳 畦(あぜ)を成(な)し 斉女門前水拍堤 斉女(せいじょ)の門前(もんぜん) 水 堤を拍(う)つ 売酒当壚人裊娜 売酒(ばいしゅ) 当壚(とうろ) 人 裊娜(じょうだ) 落花流水路東西 落花(らくか) 流水(りゅうすい)...
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明25ー文徴明 閑 興 閑 興 酒闌客散小堂空 酒(さけ)闌(つ)き 客(かく)散(さん)じて 小堂(しょうどう)空(むな)し 旋捲疎簾受晩風 旋(たちま)ち疎簾(それん)を捲(ま)いて 晩風(ばんぷう)を受く 坐久忽驚涼影動 坐(ざ)久しくして忽(たちま)ち驚く 涼影(りょうえい)の動くに 一痕新月在梧桐...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 明ー李攀龍
明27ー李攀龍 寄元美二首 其二 元美に寄す 二首 其の二 漁陽烽火暗西山 漁陽(ぎょよう)の烽火(ほうか) 西山(せいざん)に暗し 一片征鴻海上還 一片(いっぺん)の征鴻(せいこう) 海上より還(かえ)る 多少胡笳吹不転 多少(たしょう)の胡笳(こか) 吹いて転ぜざるに 秋風先入薊門関 秋風(しゅうふう) 先(ま)ず入る...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 明ー王世貞
明31ー王世貞 避暑山園 暑を山園に避く 残杯移傍水辺亭 残杯(ざんぱい) 移し傍(そ)う 水辺(すいへん)の亭(てい) 暑気衝人忽自醒 暑気(しょき) 人を衝(つ)いて 忽ち自(おのず)から醒(さ)む 最喜樹頭風定後 最も喜ぶ 樹頭(じゅとう) 風(かぜ)定(さだ)まるの後(のち) 半池零雨半池星...
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