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ティェンタオの自由訳漢詩 明ー高啓(3)

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 明8ー高啓
   雨中臥二首          雨中臥二首  其の一

  牀隠屏風竹几斜   牀(しょう)は屏風(へいふう)に隠(よ)り  竹几(ちくき)斜めなり
  臥看新燕到貧家   臥(ふ)して看る  新燕(しんえん)の貧家(ひんか)に到るを
  居心上渾無事   閑居(かんきょ)  心上(しんじょう)  渾(す)べて事(こと)無く
  対雨唯憂損杏花   雨に対して唯(た)だ憂う  杏花(きょうか)を損(そこな)わんことを

  ⊂訳⊃
          寝床は屏風の陰にあり  竹の机は斜めに据えて

          飛んできた今年の燕を  寝ころんで眺めている

          閑居の身には    気にかかることもなく

          心配なのは杏の花  雨にうたれて傷みはせぬかと


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「雨中臥」(うちゅうかんが)は雨のふる日に閑居して寝そべっている詩の意味です。寝台は衝立に寄せて置き、「竹几斜めなり」は竹製の机が斜めになっていることでしょう。読書を怠けている、もしくは世をすねていることの喩えです。「貧家」は謙譲語で、渡り鳥の燕が飛んできたのを寝転んで眺めています。転結句は感懐で、気がかりなものはなく、心配なのは雨が杏の花を傷めはしないかということだけだ。心配なことがたくさんあるので、「心上 渾べて事無く」を強調するのでしょう。

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