明8ー高啓
雨中臥二首 雨中臥二首 其の一
牀隠屏風竹几斜 牀(しょう)は屏風(へいふう)に隠(よ)り 竹几(ちくき)斜めなり
臥看新燕到貧家 臥(ふ)して看る 新燕(しんえん)の貧家(ひんか)に到るを
居心上渾無事 閑居(かんきょ) 心上(しんじょう) 渾(す)べて事(こと)無く
対雨唯憂損杏花 雨に対して唯(た)だ憂う 杏花(きょうか)を損(そこな)わんことを
⊂訳⊃
寝床は屏風の陰にあり 竹の机は斜めに据えて
飛んできた今年の燕を 寝ころんで眺めている
閑居の身には 気にかかることもなく
心配なのは杏の花 雨にうたれて傷みはせぬかと
⊂ものがたり⊃ 詩題の「雨中臥」(うちゅうかんが)は雨のふる日に閑居して寝そべっている詩の意味です。寝台は衝立に寄せて置き、「竹几斜めなり」は竹製の机が斜めになっていることでしょう。読書を怠けている、もしくは世をすねていることの喩えです。「貧家」は謙譲語で、渡り鳥の燕が飛んできたのを寝転んで眺めています。転結句は感懐で、気がかりなものはなく、心配なのは雨が杏の花を傷めはしないかということだけだ。心配なことがたくさんあるので、「心上 渾べて事無く」を強調するのでしょう。
雨中臥二首 雨中臥二首 其の一
牀隠屏風竹几斜 牀(しょう)は屏風(へいふう)に隠(よ)り 竹几(ちくき)斜めなり
臥看新燕到貧家 臥(ふ)して看る 新燕(しんえん)の貧家(ひんか)に到るを
居心上渾無事 閑居(かんきょ) 心上(しんじょう) 渾(す)べて事(こと)無く
対雨唯憂損杏花 雨に対して唯(た)だ憂う 杏花(きょうか)を損(そこな)わんことを
⊂訳⊃
寝床は屏風の陰にあり 竹の机は斜めに据えて
飛んできた今年の燕を 寝ころんで眺めている
閑居の身には 気にかかることもなく
心配なのは杏の花 雨にうたれて傷みはせぬかと
⊂ものがたり⊃ 詩題の「雨中臥」(うちゅうかんが)は雨のふる日に閑居して寝そべっている詩の意味です。寝台は衝立に寄せて置き、「竹几斜めなり」は竹製の机が斜めになっていることでしょう。読書を怠けている、もしくは世をすねていることの喩えです。「貧家」は謙譲語で、渡り鳥の燕が飛んできたのを寝転んで眺めています。転結句は感懐で、気がかりなものはなく、心配なのは雨が杏の花を傷めはしないかということだけだ。心配なことがたくさんあるので、「心上 渾べて事無く」を強調するのでしょう。