ティェンタオの自由訳漢詩 2290
南宋43ー戴復古 淮村兵後 淮村 兵後 小桃無主自開花 小桃(しょうとう) 主(しゅ)無くして 自(おのず)から花を開き 煙草茫茫帯晩鴉 煙草(えんそう) 茫茫(ぼうぼう)として晩鴉(ばんあ)を帯(お)ぶ 幾処敗垣囲故井 幾処(いくしょ)の敗垣(はいえん)か 故井(こせい)を囲む 向来一一是人家...
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南宋44ー戴復古 江村晩眺 江村の晩眺 江頭落日照平沙 江頭(こうとう)の落日(らくじつ) 平沙(へいさ)を照らし 潮退漁艠擱岸斜 潮(うしお)退いて 漁艠(ぎょとう) 岸に擱(お)かれて斜めなり 白鳥一双臨水立 白鳥一双(いっそう) 水に臨(のぞ)んで立つ 見人驚起入蘆花 人を見て...
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南宋45ー劉克荘 湖南江西道中 湖南江西の道中 丁男放犢草間嬉 丁男(ていだん)は犢(こうし)を放って草間(そうかん)に嬉(たわむ)れしめ 少婦看蚕不画眉 少婦(しょうふ)は蚕(かいこ)を看て眉(まゆ)を画(えが)かず 歳暮家家禾絹熟 歳暮(さいぼ) 家家(かか) 禾絹(かけん)熟し 萍郷風物似豳詩 萍郷(ひょうきょう)の風物...
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南宋46ー劉克荘 北来人 其一 北より来たりし人 其の一 試説東都事 試(こころ)みに東都(とうと)の事を説(と)けば 添人白髪多 人の白髪(はくはつ)を添(そ)うること多し 寝園残石馬 寝園(しんえん)には石馬(せきば)残(そこな)われ 廃殿泣銅駝 廃殿(はいでん)には銅駝(どうだ)泣く 胡運占難久 胡運(こうん)...
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南宋47ー劉克荘 北来人 其二 北より来たりし人 其の二 十口同離仳 十口(じっこう) 同じく離仳(りひ)し 今成独雁飛 今 独雁(どくがん)と成(な)って飛ぶ 飢鋤荒寺菜 飢えては荒寺(こうじ)の菜(さい)を鋤(す)き 貧著陥蕃衣 貧しくして陥蕃(かんばん)の衣(ころも)を着る 甲第歌鍾沸...
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南宋48ー呉文英 唐多令 唐多令 何処合成愁 何(いず)れの処(ところ)か 合(まさ)に愁いを成すべき 離人心上秋 離人(りじん) 心上(しんじょう)の秋 縦芭蕉不雨他颸颸 縦(たと)い 芭蕉(ばしょう) 雨ふらずとも 他(ま)た颸颸(しゅうしゅう) 都道晩凉天気好 都(みな) 晩凉(ばんりょう)...
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南宋49ー呉文英 風入松 風入松 聴風聴雨過清明 風を聴き雨を聴いて清明(せいめい)を過(おく)り 愁草痤花銘 愁いつつ草(そう)す 花を痤(うず)むる銘(めい) 楼前緑暗分攜路 楼前(ろうぜん) 緑は暗(くら)し 分攜(ぶんけい)の路(みち) 一糸柳 一寸柔情 一糸(ひとすじ)の柳...
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南宋50ー文天祥 除 夜 除 夜 乾坤空落落 乾坤(けんこん) 空(むな)しく落落(らくらく) 歳月去堂堂 歳月(さいげつ) 去って堂堂(どうどう) 末路驚風雨 末路(まつろ) 風雨(ふうう)に驚き 窮辺飽雪霜 窮辺(きゅうへん) 雪霜(せつそう)に飽(あ)く 命随年欲尽...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2279 南宋ー林升
南宋32ー林升 題臨安邸 臨安の邸に題す 山外青山楼外楼 山外(さんがい)の青山(せいざん) 楼外(ろうがい)の楼 西湖歌舞幾時休 西湖(せいこ)の歌舞(かぶ) 幾時(いつ)か休(や)まん 暖風熏得游人酔 暖風(だんぷう) 熏(くん)じ得て 游人(ゆうじん)酔(え)い 直把杭州作汴州...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2280 南宋ー辛棄疾
南宋33ー辛棄疾 青玉案 元夕 青玉案 元夕 東風夜放花千樹 東風(とうふう) 夜(よる)放つ 花千樹(はなせんじゅ) 更吹落星如雨 更に吹き落し 星 雨の如し 宝馬雕車香満路 宝馬(ほうば) 雕車(ちょうしゃ) 香(こう) 路(みち)に満つ 鳳簫声動 鳳簫(ほうしょう)は声(こえ)動き 玉壺光転...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2284 南宋ー趙師秀
南宋37ー趙師秀 約 客 客と約す 黄梅時節家家雨 黄梅(こうばい)の時節(じせつ) 家家(かか)の雨 青草池塘処処蛙 青草(せいそう)の池塘(ちとう) 処処(しょしょ)の蛙(あ) 有約不来過夜半 約(やく)有るも来たらず 夜半を過ぎ 敲棋子落燈火 (かん)に棋子(きし)を敲(たた)いて燈火(とうか)落つ ⊂訳⊃...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2286 南宋ー翁巻
南宋39ー翁巻 郷村四月 郷村の四月 緑遍山原白満川 緑は山原(さんげん)に遍(あまね)く 白は川に満つ 子規声裏雨如烟 子規声裏(しきせいり) 雨は烟(けむり)の如し 郷村四月閑人少 郷村(きょうそん)の四月 閑人(かんじん)少(まれ)なり 纔了蚕桑又插田 纔(わずか)に蚕桑(さんそう)を了(おわ)れば...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 解 題
第一 このブログは漢詩の訓読に加えて現代日本語による自由訳を付したものです。自由訳は原詩の意味を失わず、日本語の詩として分かりやすく、かつイメージの湧くものになるよう努めました。あわせて詩人の歴史的個人的背景などを⊂ものがたり⊃として加え、読者の理解に資するように努めました。 なお、このグログには「かんきょう文字」が用いてありますので、パソコンに当該辞書を搭載していないと見ることができません。...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 金ー元好問(1)
金1ー元好問 山居雑誌六首 其一 山居雑誌 六首 其の一 痩竹藤斜挂 痩竹(そうちく) 藤(ふじ)斜めに挂(かか)り 幽花草乱生 幽花(ゆうか) 草(くさ)乱れて生ず 林高風有態 林(はやし)高くして 風に態(たい)有り 苔滑水無声 苔(こけ)滑かにして 水に声(こえ)無し ⊂訳⊃ 痩せた竹に...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 金ー元好問(2)
金6ー元好問 雁門道中書所見 雁門道中 見る所を書す 金城留旬浹 金城(きんじょう) 留まること旬(しゅん)に浹(あまね)く 兀兀酔歌舞 兀兀(ごつごつ)として 酔うて歌舞(かぶ)す 出門覧民風 門を出(い)でて 民風(みんぷう)を覧(み)れば 慘慘愁肺腑 慘慘(さんさん)として 肺腑(はいふ)を愁えしむ 去年夏秋旱...
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元1ー劉因 観梅有感 梅を観て感有り 東風吹落戦塵沙 東風(とうふう) 吹き落とす戦塵沙(せんじんさ) 夢想西湖処士家 夢に想う 西湖(せいこ) 処士(しょし)の家 只恐江南春意減 只(た)だ恐る 江南(こうなん) 春意(しゅんい)の減ぜんことを 此心元不為梅花 此の心 元(もと) 梅花(ばいか)の為ならず ⊂訳⊃...
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元3ー趙孟頫 絶 句 絶 句 春寒惻惻掩重門 春寒(しゅんかん) 惻惻(そくそく)として 重門(ちょうもん)を掩(おお)う 金鴨香残火尚温 金鴨(きんおう) 香(こう)残(ざん)して 火 尚(な)お温(あたた)かし 燕子不来花又落 燕子(えんし) 来たらず 花 又(ま)た落ち 一庭風雨自黄昏...
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元6ー宋无 旱郷田父言 旱郷の田父の言 痩牛病喘餓桑間 痩牛(そうぎゅう)は病み喘(あえ)いで 桑間(そうかん)に餓(う)え 碌碡閑眠麦地乾 碌碡(ろくどく)は閑(かん)に眠り 麦地(ばくち)乾く 残税駆将児子去 残税(ざんぜい) 児子(じし)を駆り将(も)て去り 豆畦却倩草人看 豆畦(とうけい)...
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元7ー范梈 登沓磊駅楼 沓磊の駅楼に登り 自此度海 此れより海を度る 半生長以客為家 半生(はんせい) 長(つね)に客(たび)を以て家と為(な)す 罷直初来瀚海楂 直(ちょく)を罷(や)めて初めて来たる 瀚海(かんかい)の楂(いかだ) 始信人間行不尽 始めて信ず 人間(じんかん)は行けども尽きず...
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元8ー掲溪斯 夏五月武昌舟中觸目 夏五月 武昌の舟中の觸目 両髯背立鳴双櫓 両髯(りょうぜん) 背立(はいりつ)して双櫓(そうろ)を鳴らし 短蓑開合滄江雨 短蓑(たんさ) 開合(かいごう)す 滄江(そうこう)の雨 青山如龍入雲去 青山(せいざん)は龍の如く 雲に入って去り 白髪何人並沙語 白髪(はくはつ) 何人(なんびと)ぞ...
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