ティェンタオの自由訳漢詩 2152
晩唐23ー皮日休 橡媼嘆 橡媼の嘆き (前八句) 秋深橡子熟 秋深くして 橡子(しょうし)熟(じゅく)し 散落榛蕪崗 散落(さんらく)す 榛蕪(しんぶ)の崗(おか) 傴傴黄髪媼 傴傴(くく)たり 黄髪(こうはつ)の媼(おうな) 拾之践晨霜 之(こ)れを拾って 晨霜(しんそう)を践(ふ)む 移時始盈掬...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2153
晩唐24ー皮日休 橡媼嘆 橡媼の嘆き (中八句) 山前有熟稲 山前(さんぜん)に熟稲(じゅくとう)有り 紫穂襲人香 紫穂(しすい) 人を襲うて香(かん)ばし 細獲又精舂 細(こま)やかに獲(かりと)り 又た精(くわ)しく舂(つ)いて 粒粒如玉璫 粒粒(りゅうりゅう) 玉璫(ぎょくとう)の如し...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2154
晩唐25ー皮日休 橡媼嘆 橡媼の嘆き (後十句) 狡吏不畏刑 狡吏(こうり)は刑(けい)を畏(おそ)れず 貪官不避贓 貪官(たんかん)は贓(ぞう)を避(さ)けず 農時作私債 農時(のうじ) 私債(しさい)を作(な)し 農畢帰官倉 農畢(おわ)って 官倉(かんそう)に帰(き)す 自冬及於春...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2155
晩唐26ー皮日休 春夕酒醒 春夕酒醒 四弦纔罷酔蛮奴 四弦(よんげん) 纔(わずか)に罷(や)む 酔蛮奴(すいばんど) 酃醁余香在翠炉 酃醁(れいりょく)の余香(よこう) 翠炉(すいろ)に在り 夜半醒来紅蠟短 夜半(やはん)醒(さ)め来たれば紅蠟(こうろう)短し 一枝寒涙作珊瑚 一枝(いっし)の寒涙(かんるい)...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2156
晩唐27ー皮日休 酒病偶作 酒病偶作 鬱林歩障昼遮明 鬱林(うつりん)の歩障(ほしょう) 昼も明(めい)を遮(さえぎ)る 一炷濃香養病酲 一炷(いっちゅう) 濃香(のうこう)にして 病酲(びょうてい)を養う 何事晩来還欲飲 何事(なにごと)ぞ 晩来(ばんらい) 還(ま)た飲まんと欲す 隔牆聞売蛤蜊声...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2157
晩唐28ー陸亀蒙 新沙 新沙 渤澥声中漲小堤 渤澥(ぼっかい)の声中(せいちゅう) 小堤(しょうてい)漲(みなぎ)る 官家知後海鷗知 官家(かんか)の知る後(のち) 海鷗(かいおう)知る 蓬萊有路教人到 蓬萊(ほうらい)に路(みち)有らば人をして到らしめ 応亦年年税紫芝 応(まさ)に亦(ま)た年年(ねんねん)...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2158
晩唐29ー陸亀蒙 和襲美春タ酒醒 襲美の春タ酒醒に和す 幾年無事傍江湖 幾年(いくねん)事(こと)無く 江湖(こうこ)に傍(よ)る 酔倒黄公旧酒壚 酔いて倒(たお)る 黄公(こうこう)旧酒壚(きゅうしゅろ) 覚後不知明月上 覚(さ)めて後(あと)知らず 明月(めいげつ)上り 満身花影倩人扶 満身の花影(かえい)...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2159
晩唐30ー陸亀蒙 和襲美酒病偶作 襲美の酒病偶作に和す 柳疏桐下晩窓明 柳(やなぎ)疏(そ)にして桐(きり)下り 晩窓(ばんそう)明るし 秖有微風為折酲 秖(た)だ微風(びふう)の為に酲(てい)を折る有り 唯缺白綃籠解散 唯(た)だ白綃(はくしょう)の解散を籠(つつ)むを缺(か)く 洛生詠両三声 洛生(らくせい) (のどか)に詠ず...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2160
晩唐31ー聶夷中 傷田家 田家を傷む 二月売新糸 二月 新糸(しんし)を売り 五月糶新穀 五月 新穀(しんこく)を糶(ちょう)す 医得眼前瘡 眼前(がんぜん)の瘡(そう)を医(いや)し得て 剜卻心頭肉 心頭(しんとう)の肉を剜卻(わんきゃく)す 我願君王心 我(わ)れ願わくは 君王(くんおう)の心...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2161
晩唐32ー杜荀鶴 再経胡城県 再び胡城県を経て 去歳曾経此県城 去歳(きょさい) 曾(かつ)て此の県城を経(へ)しとき 県民無口不冤声 県民(けんみん) 口として冤声(えんせい)ならざるは無かりき 今来県宰加朱紱 今(いま)来たるに 県宰(けんさい)は朱紱(しゅふつ)を加う 便是生霊血染成...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2162
晩唐33ー曹松 己亥歳 己亥の歳 沢国江山入戦図 沢国(たくこく)の江山(こうざん) 戦図(せんと)に入る 生民何計楽樵蘇 生民(せいみん) 何の計ありてか樵蘇(しょうそ)を楽しまん 憑君莫話封侯事 君に憑(よ)る 話(かた)る莫(なか)れ 封侯(ほうこう)の事 一将功成万骨枯 一将(いっしょう)...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2163
晩唐33ー鄭谷 淮上与友人別 淮上にて友人と別る 揚子江頭楊柳春 揚子江頭(ようすこうとう) 楊柳(ようりゅう)の春 楊花愁殺渡江人 楊花(ようか)愁殺(しゅうさつ)す 江(こう)を渡る人 数声風笛離亭晩 数声(すうせい)の風笛(ふうてき) 離亭(りてい)の晩 君向瀟湘我向秦 君は瀟湘(しょうしょう)に向かい...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2164
晩唐35ー釋貫休 春晩書山家屋壁 春晩 山家の屋壁に書す 柴門寂寂黍飯馨 柴門(さいもん) 寂寂(せきせき)として黍飯(しょはん)馨(かぐわ)し 山家煙火春雨晴 山家(さんか)の煙火(えんか) 春雨(しゅんう)晴る 庭花濛濛水冷冷 庭花(ていか)濛濛(もうもう)として水は冷冷(れいれい) 小児啼索樹上鶯 小児(しょうじ)啼きて索(もと)む...
View Articleティェンタオの自由訳漢 2165
晩唐36ー王駕 晴景 晴景 雨前初見花間葉 雨前(うぜん) 初めて見る 花間(かかん)の葉 雨後兼無葉底花 雨後(うご) 兼ねて無し 葉底(ようてい)の花 蛺蝶飛来過牆去 蛺蝶(きょうちょう) 飛び来たり牆(かき)を過ぎて去る 却疑春色在隣家 却(かえ)って疑う春色(しゅんしょく)の隣家に在るかと ⊂訳⊃...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2166
晩唐37ー韋荘 長安春 長安の春 長安二月多香塵 長安の二月 香塵(こうじん)多し 六街車馬声轔轔 六街(りくがい)の車馬(しゃば) 声轔轔(りんりん) 家家楼上如花人 家家(かか)楼上(ろうじょう) 花の如き人 千枝万枝紅豔新 千枝(せんし)万枝(ばんし) 紅豔(こうえん)新たなり 簾間笑語自相問...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2167
晩唐38ー韋荘 古別離 古別離 晴煙漠漠柳毿毿 晴煙(せいえん) 漠漠(ばくばく)として 柳(やなぎ)毿毿(さんさん)たり 不那離情酒半酣 那(いか)んともせず 離情(りじょう) 酒半ば酣(たけなわ)なるを 更把玉鞭雲外指 更に玉鞭(ぎょくべん)を把(と)って雲外(うんがい)を指(さ)せば 断腸春色在江南...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2168
晩唐39ー韋荘 台城 台城 江雨霏霏江草斉 江雨(こうう)霏霏(ひひ)として 江草(こうそう)斉(ひと)し 六朝如夢鳥空啼 六朝(りくちょう)夢の如く 鳥 空(むな)しく啼(な)く 無情最是台城柳 無情(むじょう)なるは最も是(こ)れ台城(だいじょう)の柳 依旧烟籠十里堤 旧(きゅう)に依って煙は籠(こ)む 十里の堤...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2169
晩唐40ー韋荘 空相思 空しく相思う 無計得伝消息 計(けい)の消息(しょうそく)を伝うるを得(う)る無く 天上姮娥人不識 天上の姮娥(こうが) 人(ひと)識らず 寄書何処覓 書を寄するも何処(いずく)にか覓(もと)めん 新睡覚来無力 新睡(しんすい) 覚(さ)め来たりて力無し 不忍把伊書跡...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2170
晩唐41ー韋荘 菩薩蛮 菩薩蛮 洛陽城裏春光好 洛陽城裏(らくようじょうり) 春光(しゅんこう)好(よ)し 洛陽才子他郷老 洛陽の才子 他郷(たきょう)に老(お)ゆ 柳暗魏王堤 柳は暗し 魏王(ぎおう)の堤 此時心転迷 此の時 心 転(うた)た迷う 桃花春水深 桃花(とうか)...
View Articleティェンタオの自由訳漢詩 2171
晩唐42ー韓偓 詠浴 浴を詠ず 再整魚犀攏翠簪 再び魚犀(ぎょさい)を整え 翠簪(すいしん)を攏(よせあつ)め 解衣先覚冷森森 衣(ころも)を解けば 先ず覚ゆ冷森森(れいしんしん)たるを 教移蘭燭頻羞影 蘭燭(らんしょく)を移さしめて 頻(しき)りに影を羞(は)じ 自試香湯更怕深 自ら香湯(こうゆ)を試して...
View Article