晩唐29ー陸亀蒙
和襲美春タ酒醒 襲美の春タ酒醒に和す
幾年無事傍江湖 幾年(いくねん)事(こと)無く 江湖(こうこ)に傍(よ)る
酔倒黄公旧酒壚 酔いて倒(たお)る 黄公(こうこう)旧酒壚(きゅうしゅろ)
覚後不知明月上 覚(さ)めて後(あと)知らず 明月(めいげつ)上り
満身花影倩人扶 満身の花影(かえい) 人の扶(たすけ)を倩(こ)いしを
⊂訳⊃
江湖に隠棲して こともなく歳月は過ぎる
竹林の七賢は 黄公の酒場で酔っぱらう
明月に照らされ 満身に花の影
酔いが醒めても 扶け起こされたのを覚えていない
⊂ものがたり⊃ 詩題の「襲美」(しゅうび)は皮日休の字(あざな)で、皮日休の「春タ酒醒」に和した詩です。起句によると陸亀蒙はすでに郷里に隠棲していたようです。
「黄公」は竹林の七賢が通った「酒壚」(居酒屋)の主人で、阮籍(げんせき)や嵆康(けいこう)たちは黄公の酒場で酔いつぶれるのを常としていました。皮日休を竹林の七賢に喩えるのです。後半二句は皮日休の酔いっぷりを暖かい目で描きます。「満身の花影 人の扶を倩いしを」は佳句とされています。
和襲美春タ酒醒 襲美の春タ酒醒に和す
幾年無事傍江湖 幾年(いくねん)事(こと)無く 江湖(こうこ)に傍(よ)る
酔倒黄公旧酒壚 酔いて倒(たお)る 黄公(こうこう)旧酒壚(きゅうしゅろ)
覚後不知明月上 覚(さ)めて後(あと)知らず 明月(めいげつ)上り
満身花影倩人扶 満身の花影(かえい) 人の扶(たすけ)を倩(こ)いしを
⊂訳⊃
江湖に隠棲して こともなく歳月は過ぎる
竹林の七賢は 黄公の酒場で酔っぱらう
明月に照らされ 満身に花の影
酔いが醒めても 扶け起こされたのを覚えていない
⊂ものがたり⊃ 詩題の「襲美」(しゅうび)は皮日休の字(あざな)で、皮日休の「春タ酒醒」に和した詩です。起句によると陸亀蒙はすでに郷里に隠棲していたようです。
「黄公」は竹林の七賢が通った「酒壚」(居酒屋)の主人で、阮籍(げんせき)や嵆康(けいこう)たちは黄公の酒場で酔いつぶれるのを常としていました。皮日休を竹林の七賢に喩えるのです。後半二句は皮日休の酔いっぷりを暖かい目で描きます。「満身の花影 人の扶を倩いしを」は佳句とされています。