晩唐26ー皮日休
春夕酒醒 春夕酒醒
四弦纔罷酔蛮奴 四弦(よんげん) 纔(わずか)に罷(や)む 酔蛮奴(すいばんど)
酃醁余香在翠炉 酃醁(れいりょく)の余香(よこう) 翠炉(すいろ)に在り
夜半醒来紅蠟短 夜半(やはん)醒(さ)め来たれば紅蠟(こうろう)短し
一枝寒涙作珊瑚 一枝(いっし)の寒涙(かんるい) 珊瑚(さんご)を作(な)す
⊂訳⊃
四弦の琵琶が止むや この酔っぱらいめ
酃醁の酒の香りが 炉上にただよっている
真夜中に目醒めると 短くなった蝋燭いっぽん
紅蠟の涙が寒々と 融けた珊瑚のように垂れている
⊂ものがたり⊃ 詩題の「春夕酒醒」(しゅんゆうしゅせい)は春の夜、酒が醒めての詩という意味です。酔っぱらって宴会の席で寝込んでしまい、夜中に目覚めたときの作でしょう。「四弦」は琵琶のこと。「纔に罷む」はいま演奏が終わったという感じですが、寝込む前のことを思い出しているのでしょう。
「酔蛮奴」は酔っぱらいの蛮族という意味になりますが、大酒のみの自分を卑称するものです。「酃醁」は湖南酃県の銘酒で、炉で暖められ、よい香りを放っています。蝋燭が一本、燃えて短くなり、融けた赤い蠟が珊瑚の涙のように寒々と垂れていると、人生の寂寞を詠うのです。
春夕酒醒 春夕酒醒
四弦纔罷酔蛮奴 四弦(よんげん) 纔(わずか)に罷(や)む 酔蛮奴(すいばんど)
酃醁余香在翠炉 酃醁(れいりょく)の余香(よこう) 翠炉(すいろ)に在り
夜半醒来紅蠟短 夜半(やはん)醒(さ)め来たれば紅蠟(こうろう)短し
一枝寒涙作珊瑚 一枝(いっし)の寒涙(かんるい) 珊瑚(さんご)を作(な)す
⊂訳⊃
四弦の琵琶が止むや この酔っぱらいめ
酃醁の酒の香りが 炉上にただよっている
真夜中に目醒めると 短くなった蝋燭いっぽん
紅蠟の涙が寒々と 融けた珊瑚のように垂れている
⊂ものがたり⊃ 詩題の「春夕酒醒」(しゅんゆうしゅせい)は春の夜、酒が醒めての詩という意味です。酔っぱらって宴会の席で寝込んでしまい、夜中に目覚めたときの作でしょう。「四弦」は琵琶のこと。「纔に罷む」はいま演奏が終わったという感じですが、寝込む前のことを思い出しているのでしょう。
「酔蛮奴」は酔っぱらいの蛮族という意味になりますが、大酒のみの自分を卑称するものです。「酃醁」は湖南酃県の銘酒で、炉で暖められ、よい香りを放っています。蝋燭が一本、燃えて短くなり、融けた赤い蠟が珊瑚の涙のように寒々と垂れていると、人生の寂寞を詠うのです。