晩唐38ー韋荘
古別離 古別離
晴煙漠漠柳毿毿 晴煙(せいえん) 漠漠(ばくばく)として 柳(やなぎ)毿毿(さんさん)たり
不那離情酒半酣 那(いか)んともせず 離情(りじょう) 酒半ば酣(たけなわ)なるを
更把玉鞭雲外指 更に玉鞭(ぎょくべん)を把(と)って雲外(うんがい)を指(さ)せば
断腸春色在江南 断腸(だんちょう)の春色(しゅんしょく) 江南に在り
⊂訳⊃
晴れた空 棚引く霞 柳の枝は長くたれ
別れは辛く 酒宴が盛り上がらないのは仕方がない
鞭をあげて 雲のかなたを指させば
腸も千切れんばかりの春景色 江南の地に満ちている
⊂ものがたり⊃ 詩題の「古別離」(こべつり)は楽府題で、「古離別」となっているテキストもあります。「晴煙」は晴れた空にたなびく霞、「毿毿」は細くて長いものの形容です。前半二句で別れの辛さを詠い、後半二句で前途を励まします。「玉鞭」は鞭の美称で、江南には溢れんばかりの春があり、可能性もあると詠います。江南へ旅立つ友への送別の詩でしょう。
古別離 古別離
晴煙漠漠柳毿毿 晴煙(せいえん) 漠漠(ばくばく)として 柳(やなぎ)毿毿(さんさん)たり
不那離情酒半酣 那(いか)んともせず 離情(りじょう) 酒半ば酣(たけなわ)なるを
更把玉鞭雲外指 更に玉鞭(ぎょくべん)を把(と)って雲外(うんがい)を指(さ)せば
断腸春色在江南 断腸(だんちょう)の春色(しゅんしょく) 江南に在り
⊂訳⊃
晴れた空 棚引く霞 柳の枝は長くたれ
別れは辛く 酒宴が盛り上がらないのは仕方がない
鞭をあげて 雲のかなたを指させば
腸も千切れんばかりの春景色 江南の地に満ちている
⊂ものがたり⊃ 詩題の「古別離」(こべつり)は楽府題で、「古離別」となっているテキストもあります。「晴煙」は晴れた空にたなびく霞、「毿毿」は細くて長いものの形容です。前半二句で別れの辛さを詠い、後半二句で前途を励まします。「玉鞭」は鞭の美称で、江南には溢れんばかりの春があり、可能性もあると詠います。江南へ旅立つ友への送別の詩でしょう。