晩唐33ー鄭谷
淮上与友人別 淮上にて友人と別る
揚子江頭楊柳春 揚子江頭(ようすこうとう) 楊柳(ようりゅう)の春
楊花愁殺渡江人 楊花(ようか)愁殺(しゅうさつ)す 江(こう)を渡る人
数声風笛離亭晩 数声(すうせい)の風笛(ふうてき) 離亭(りてい)の晩
君向瀟湘我向秦 君は瀟湘(しょうしょう)に向かい 我(わ)れは秦(しん)に向かう
⊂訳⊃
揚子江のほとり 楊柳の春はたけなわ
舞い散る柳絮は 渡江する人の心をみだす
今宵駅亭で別れの宴 笛の音が風のまにまに聞こえてくる
君は瀟湘に向かい わたしは長安にもどるのだ
⊂ものがたり⊃ 鄭谷(ていこく:851?ー910?)は袁州宜春(江西省宜春県)の人。僖宗が都に帰還した二年後の光啓三年(887)に、三十七歳くらいで進士に及第します。右拾遺をへて都官郎中にいたりますが、唐の滅亡後三年、梁の開平四年(910)ころになくなります。享年六十歳くらいです。
詩題の「淮上」(わいじょう)は淮水のほとりの意味ですので、長江下流部をさす「揚子江」とあいません。「瀟湘」は湖南の地、「秦」は唐都長安の意味ですが、動乱の時代、西と東に別れる宴の席は平和な時代とは違ったでしょう。湖南は比較的平和であり、長安は動乱に直面していました。
淮上与友人別 淮上にて友人と別る
揚子江頭楊柳春 揚子江頭(ようすこうとう) 楊柳(ようりゅう)の春
楊花愁殺渡江人 楊花(ようか)愁殺(しゅうさつ)す 江(こう)を渡る人
数声風笛離亭晩 数声(すうせい)の風笛(ふうてき) 離亭(りてい)の晩
君向瀟湘我向秦 君は瀟湘(しょうしょう)に向かい 我(わ)れは秦(しん)に向かう
⊂訳⊃
揚子江のほとり 楊柳の春はたけなわ
舞い散る柳絮は 渡江する人の心をみだす
今宵駅亭で別れの宴 笛の音が風のまにまに聞こえてくる
君は瀟湘に向かい わたしは長安にもどるのだ
⊂ものがたり⊃ 鄭谷(ていこく:851?ー910?)は袁州宜春(江西省宜春県)の人。僖宗が都に帰還した二年後の光啓三年(887)に、三十七歳くらいで進士に及第します。右拾遺をへて都官郎中にいたりますが、唐の滅亡後三年、梁の開平四年(910)ころになくなります。享年六十歳くらいです。
詩題の「淮上」(わいじょう)は淮水のほとりの意味ですので、長江下流部をさす「揚子江」とあいません。「瀟湘」は湖南の地、「秦」は唐都長安の意味ですが、動乱の時代、西と東に別れる宴の席は平和な時代とは違ったでしょう。湖南は比較的平和であり、長安は動乱に直面していました。