晩唐39ー韋荘
台城 台城
江雨霏霏江草斉 江雨(こうう)霏霏(ひひ)として 江草(こうそう)斉(ひと)し
六朝如夢鳥空啼 六朝(りくちょう)夢の如く 鳥 空(むな)しく啼(な)く
無情最是台城柳 無情(むじょう)なるは最も是(こ)れ台城(だいじょう)の柳
依旧烟籠十里堤 旧(きゅう)に依って煙は籠(こ)む 十里の堤
⊂訳⊃
雨は江上に霏霏と降り 岸辺に草は生えそろう
六朝の栄華は夢か幻か 鳥はむなしく啼いている
十里もつづく長堤に 靄はかわらず立ちこめて
無常をいまに止めるは ただ台城の柳だけ
⊂ものがたり⊃ 詩題の「台城」を「金陵の図」とするテキストもあります。その場合は金陵(建康の都)を描いた絵に画讃した詩ということになります。「台城」は南朝の都建康宮のことで、南朝では朝廷のことを「台」といいました。
旧台の北側に玄武湖の堤が延びています。残っているのは堤に生えている柳の木だけ、それが昔と変わらず靄につつまれて霞んでいると詠います。南朝の栄華の跡を回顧する浪漫のかおり高い一首です。
台城 台城
江雨霏霏江草斉 江雨(こうう)霏霏(ひひ)として 江草(こうそう)斉(ひと)し
六朝如夢鳥空啼 六朝(りくちょう)夢の如く 鳥 空(むな)しく啼(な)く
無情最是台城柳 無情(むじょう)なるは最も是(こ)れ台城(だいじょう)の柳
依旧烟籠十里堤 旧(きゅう)に依って煙は籠(こ)む 十里の堤
⊂訳⊃
雨は江上に霏霏と降り 岸辺に草は生えそろう
六朝の栄華は夢か幻か 鳥はむなしく啼いている
十里もつづく長堤に 靄はかわらず立ちこめて
無常をいまに止めるは ただ台城の柳だけ
⊂ものがたり⊃ 詩題の「台城」を「金陵の図」とするテキストもあります。その場合は金陵(建康の都)を描いた絵に画讃した詩ということになります。「台城」は南朝の都建康宮のことで、南朝では朝廷のことを「台」といいました。
旧台の北側に玄武湖の堤が延びています。残っているのは堤に生えている柳の木だけ、それが昔と変わらず靄につつまれて霞んでいると詠います。南朝の栄華の跡を回顧する浪漫のかおり高い一首です。