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ティェンタオの自由訳漢詩 2168

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 晩唐39ー韋荘
     台城                台城

  江雨霏霏江草斉   江雨(こうう)霏霏(ひひ)として 江草(こうそう)斉(ひと)し
  六朝如夢鳥空啼   六朝(りくちょう)夢の如く 鳥 空(むな)しく啼(な)く
  無情最是台城柳   無情(むじょう)なるは最も是(こ)れ台城(だいじょう)の柳
  依旧烟籠十里堤   旧(きゅう)に依って煙は籠(こ)む 十里の堤

  ⊂訳⊃
          雨は江上に霏霏と降り  岸辺に草は生えそろう

          六朝の栄華は夢か幻か 鳥はむなしく啼いている

          十里もつづく長堤に    靄はかわらず立ちこめて

          無常をいまに止めるは  ただ台城の柳だけ


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「台城」を「金陵の図」とするテキストもあります。その場合は金陵(建康の都)を描いた絵に画讃した詩ということになります。「台城」は南朝の都建康宮のことで、南朝では朝廷のことを「台」といいました。
 旧台の北側に玄武湖の堤が延びています。残っているのは堤に生えている柳の木だけ、それが昔と変わらず靄につつまれて霞んでいると詠います。南朝の栄華の跡を回顧する浪漫のかおり高い一首です。

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