ティェンタオの自由訳漢詩 2073
中唐70ー柳宗元 自衡陽移桂十余本 衡陽より桂十余本を移し 植零陵所住精舎 零陵の住む所の精舎に植う (前半十句) 謫官去南裔 官(かん)を謫(たく)せられて南裔(なんえい)に去り 清湘繞霊岳 清湘(せいしょう) 霊岳(れいがく)を繞(めぐ)る 晨登蒹葭岸 晨(あした)に登る 蒹葭(けんか)の岸 霜景霽紛濁...
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中唐71ー柳宗元 自衡陽移桂十余本 衡陽より桂十余本を移し 植零陵所住精舎 零陵の住む所の精舎に植う (後半八句) 傾筐壅故壤 傾筐(けいきょう) 故壤(こじょう)を壅(ふさ)ぎ 棲息期鸞鷟 棲息(せいそく) 鸞鷟(らんさく)を期(き)す 路遠清涼宮 路(みち)遠し 清涼(せいりょう)の宮(みや)...
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中唐72ー柳宗元 湘口館瀟湘 湘口館は瀟湘二水 二水所会 の会する所 (前半十句) 九嶷濬傾奔 九嶷(きゅうぎ) 傾奔(けいほん)を濬(ふか)くし 臨源委縈迴 臨源(りんげん) 縈迴(えいかい)するに委(まか)す 会合属空曠 会合(かいごう) 空曠(くうこう)に属(つら)なり...
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中唐73ー柳宗元 湘口館瀟湘 湘口館は瀟湘二水 二水所会 の会する所 (後半八句) 杳杳漁夫吟 杳杳(ようよう)として漁夫(ぎょふ)吟じ 叫叫羇鴻哀 叫叫(きょうきょう)として羇鴻(きこう)哀しむ 境勝豈不豫 境(きょう)の勝(すぐ)れたる 豈(あ)に豫(よろこ)ばざらんや 慮分固難裁...
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中唐74ー柳宗元 渓居 渓に居む 久為簪組累 久しく簪組(しんそ)の累(わずら)いを為(な)し 幸此南夷謫 幸いに此の南夷(なんい)に謫(たく)せらる 閑依農圃隣 閑(しず)かに農圃(のうほ)の隣に依(よ)り 偶似山林客 偶々(たまたま)山林の客に似たり 暁耕翻露草...
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中唐75ー柳宗元 旦携謝山人至愚池 旦に謝山人を携えて愚池に至る 新沐換軽幘 新たに沐(もく)して軽幘(けいさく)を換(か)う 暁池風露清 暁(あかつき)の池は 風露(ふうろ)清し 自諧塵外意 自(おのず)から塵外(じんがい)の意(い)に諧(かな)う 況与幽人行 況(いわ)んや幽人(ゆうじん)と行くをや 霞散衆山迥...
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中唐76ー柳宗元 聞黄鸝 黄鸝を聞く (前半十二句) 倦聞子規朝暮声 聞くに倦(あ)きたり 子規(ほととぎす)の朝暮(ちょうぼ)の声 不意忽有黄鸝鳴 意(おも)わざりき 忽(たちま)ち黄鸝(こうり)の鳴く有らんとは 一声夢断楚江曲 一声(ひとこえ)に夢は断たる 楚江(そこう)の曲(くま) 満眼故園春意生...
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中唐77ー柳宗元 聞黄鸝 黄鸝を聞く (後半六句) 我今誤落千万山 我(わ)れ今 誤って千万山(せんまんざん)に落つ 身同傖人不思還 身は傖人(そうひと)に同じくして還(かえ)るを思わず 郷禽何事亦来此 郷(ふるさと)の禽(とり)よ 何事か亦(ま)た此(ここ)に来たり 令我生心憶桑梓...
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中唐78ー柳宗元 早梅 早梅 早梅発高樹 早梅(そうばい) 高き樹(き)に発(ひら)き 迥映楚天碧 迥(はる)かに楚天(そてん)の碧(あお)きに映ず 朔吹飄夜香 朔(きた)より吹きくるは夜の香りを飄(ただよ)わせ 繁霜滋暁白 繁(しげ)き霜は暁(あかつき)の白を滋(うるお)す 欲為万里贈...
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中唐79ー柳宗元 南中栄橘柚 南中に橘柚栄ゆ 橘柚懐貞質 橘柚(きつゆう)は貞質(ていしつ)を懐(いだ)き 受命此炎方 命(いのち)を此の炎方(えんぽう)に受(さず)かる 密林耀朱緑 密林(みつりん)に朱緑(しゅりょく)を耀(かがや)かし 晩歳有余芳 晩歳(ばんさい)に余芳(よほう)有り 殊風限清漢...
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中唐80ー柳宗元 南澗中題 南澗中に題す (前半十句) 秋気集南澗 秋気(しゅうき) 南澗(なんかん)に集まる 独遊亭午時 独り遊ぶ 亭午(ていご)の時 迴風一蕭瑟 迴風(かいふう) 一(いつ)に蕭瑟(しょうしつ) 林影久参差 林影(りんえい) 久しく参差(さんし) 始至若有得...
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中唐81ー柳宗元 南澗中題 南澗中に題す (後半六句) 弧生易為感 弧(ひと)りなる生は感(かん)を為(な)し易(やす)く 失路少所宜 路を失いては宜(よろ)しき所(ところ)少なし 索寞竟何事 索寞(さくばく) 竟(つい)に何をか事とせん 徘徊秖自知 徘徊(はいかい)して秖(た)だ自(みずか)ら知る...
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中唐82ー柳宗元 秋暁行南谷 秋の暁に南谷を 径荒村 行き荒村を径 杪秋霜露重 杪秋(びょうしゅう) 霜露(そうろ)重し 晨起行幽谷 晨(あした)に起きて幽谷(ゆうこく)を行く 黄葉覆渓橋 黄葉(きば)は渓橋(けいきょう)を覆い 荒村唯古木 荒村(こうそん)には唯(た)だ古木あるのみ...
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中唐83ー柳宗元 漁翁 漁翁 漁翁夜傍西巌宿 漁翁(ぎょおう) 夜 西の巌(いわお)に傍(そ)いて宿る 暁汲清湘燃楚竹 暁(あかつき)に清湘(せいしょう)を汲み楚竹(そちく)を燃やす 煙銷日出不見人 煙(もや)銷(き)えて日(ひ)出(い)で人を見ず 欸乃一声山水緑 欸乃(あいだい) 一声 山水(さんすい)緑なり...
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中唐84ー柳宗元 零陵早春 零陵の早春 問春従此去 春に問う 此(こ)こ従(よ)り去って 幾日到秦原 幾日か秦原(みやこ)に到ると 憑寄還郷夢 憑(たよ)り寄す 郷(ふるさと)に還(かえ)るの夢 慇懃入故園 慇懃(いんぎん)に故園(こえん)に入(はい)れ ⊂訳⊃ 春よ ここを去って...
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中唐85ー柳宗元 春懐故園 春 故園を懐う 九扈鳴已晩 九扈(きゅうこ)鳴くこと已(すで)に晩(おそ)く 楚郷農事春 楚郷(そきょう)は農事(のうじ)春なり 悠悠故池水 悠悠(ゆうゆう)たる故池(こち)の水 空待灌園人 空(むな)しく園に灌(そそ)ぐ人を待つ ⊂訳⊃ 九扈の鳥が いまごろ鳴いている...
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中唐86ー柳宗元 詔追赴都迴 詔により追われて都に赴き 寄零陵親故 迴る 零陵の親故に寄す 毎憶繊鱗遊尺沢 毎(つね)に憶(おも)う 繊鱗(せんりん)の尺沢(せきたく)に遊びしことを 翻愁弱羽上丹霄 翻(ひるがえ)って愁う 弱羽(じゃくう)の丹霄(たんしょう)に上るを 岸傍古堠応無数...
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中唐87ー柳宗元 過衡山見新花開 衡山を過りて新しき花の 却寄弟 開くを見 却ち弟に寄す 故国名園久別離 故国(ここく) 名園(めいえん) 久しく別離(べつり)す 今朝楚樹発南枝 今朝(こんちょう) 楚樹(そじゅ) 南枝(なんし)を発(ひら)く 晴天帰路好相逐 晴天(せいてん) 帰路(きろ)...
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中唐88ー柳宗元 汨羅遇風 汨羅にて風に遇う 南来不作楚臣悲 南来(なんらい) 楚臣(そしん)の悲しみを作(な)さず 重入脩門自有期 重ねて脩門(しゅうもん)に入る 自(おのず)から期(き)する有り 為報春風汨羅道 為(ため)に報ず 春風(しゅんぷう) 汨羅(べきら)の道 莫将波浪枉明時...
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中唐89ー柳宗元 詔追赴都二月 詔して追われ都に赴く 至灞亭上 二月灞亭の上に至る 十一年前南渡客 十一年前(ぜん) 南渡(なんと)の客 四千里外北帰人 四千里外(がい) 北帰(ほっき)の人 詔書許逐陽和至 詔書は陽和(ようわ)を逐(お)いて至るを許す 駅路開花処処新 駅路(えきろ)...
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