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ティェンタオの自由訳漢詩 2092

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 中唐89ー柳宗元
   詔追赴都二月        詔して追われ都に赴く
   至灞亭上           二月灞亭の上に至る

  十一年前南渡客   十一年前(ぜん)  南渡(なんと)の客
  四千里外北帰人   四千里外(がい)  北帰(ほっき)の人
  詔書許逐陽和至   詔書は陽和(ようわ)を逐(お)いて至るを許す
  駅路開花処処新   駅路(えきろ)  花開(ひら)きて処処(しょしょ)新たなり

  ⊂訳⊃
          十一年前は  南へゆく旅人だった

          四千里の彼方から   いまは北へ帰る人

          麗らかな春を追って  都にもどることをお許しになり

          宿駅の路に花は咲き  どこもかしこも目新しい


 ⊂ものがたり⊃ 柳宗元は北還を急ぎ、洞庭湖から長江をへて漢水を遡り、陸路、武関(陝西省丹鳳県の東南)を通って秦原(関中盆地)に入ります。詩題の「灞亭」(はてい)は灞水のほとりの駅亭で、一月に永州を発った柳宗元は二月に灞上に着いています。
 長安は目の前です。十一年前、南へ追放された身を思えば夢のようです。「陽和」は麗らかな春の陽ざしで、南から北へ移る春を追って都にもどってきました。宿駅の路のほとりに咲いている花も、はじめて見るように新鮮です。
 北還の詩はいずれも七言絶句で、韻律も滑らかに都へ帰る喜びを伝えています。だが、待っていた運命は苛酷でした。
 
  

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