中唐87ー柳宗元
過衡山見新花開 衡山を過りて新しき花の
却寄弟 開くを見 却ち弟に寄す
故国名園久別離 故国(ここく) 名園(めいえん) 久しく別離(べつり)す
今朝楚樹発南枝 今朝(こんちょう) 楚樹(そじゅ) 南枝(なんし)を発(ひら)く
晴天帰路好相逐 晴天(せいてん) 帰路(きろ) 相逐(あいお)うに好(よ)ろし
正是峯前迴雁時 正(まさ)に是れ 峯前(ほうぜん) 迴雁(かいがん)の時
⊂訳⊃
古里の庭とは 永らく別れていた
今朝 楚地の梅の木が南の枝に花ひらく
晴れた空 都への帰りを追うにはいい日和
今まさに 霊山の峰を雁が北へとめぐる時
⊂ものがたり⊃ 詩題に「衡山」(こうざん)とあり、北還して衡陽(湖南省衡陽市)まで来たとき、梅の花が咲いているのを見ました。それにつけても思い出すのは故郷の荘園の庭です。このとき従弟の柳宗直(りゅうそうちょく)は残務整理のためまだ永州にいました。だから、はやく追いついて来いと出発を促しています。
結句は衡山が渡雁の南限の山と言われているのを踏まえており、自分も今まさに北へ帰ろうとしていると晴れやかに詠います。
過衡山見新花開 衡山を過りて新しき花の
却寄弟 開くを見 却ち弟に寄す
故国名園久別離 故国(ここく) 名園(めいえん) 久しく別離(べつり)す
今朝楚樹発南枝 今朝(こんちょう) 楚樹(そじゅ) 南枝(なんし)を発(ひら)く
晴天帰路好相逐 晴天(せいてん) 帰路(きろ) 相逐(あいお)うに好(よ)ろし
正是峯前迴雁時 正(まさ)に是れ 峯前(ほうぜん) 迴雁(かいがん)の時
⊂訳⊃
古里の庭とは 永らく別れていた
今朝 楚地の梅の木が南の枝に花ひらく
晴れた空 都への帰りを追うにはいい日和
今まさに 霊山の峰を雁が北へとめぐる時
⊂ものがたり⊃ 詩題に「衡山」(こうざん)とあり、北還して衡陽(湖南省衡陽市)まで来たとき、梅の花が咲いているのを見ました。それにつけても思い出すのは故郷の荘園の庭です。このとき従弟の柳宗直(りゅうそうちょく)は残務整理のためまだ永州にいました。だから、はやく追いついて来いと出発を促しています。
結句は衡山が渡雁の南限の山と言われているのを踏まえており、自分も今まさに北へ帰ろうとしていると晴れやかに詠います。