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ティェンタオの自由訳漢詩 2090

 中唐87ー柳宗元
   過衡山見新花開        衡山を過りて新しき花の
   却寄弟              開くを見 却ち弟に寄す

  故国名園久別離   故国(ここく)  名園(めいえん)   久しく別離(べつり)す
  今朝楚樹発南枝   今朝(こんちょう)  楚樹(そじゅ)  南枝(なんし)を発(ひら)く
  晴天帰路好相逐   晴天(せいてん)  帰路(きろ)   相逐(あいお)うに好(よ)ろし
  正是峯前迴雁時   正(まさ)に是れ  峯前(ほうぜん)  迴雁(かいがん)の時

  ⊂訳⊃
          古里の庭とは  永らく別れていた

          今朝     楚地の梅の木が南の枝に花ひらく

          晴れた空  都への帰りを追うにはいい日和

          今まさに  霊山の峰を雁が北へとめぐる時


 ⊂ものがたり⊃ 詩題に「衡山」(こうざん)とあり、北還して衡陽(湖南省衡陽市)まで来たとき、梅の花が咲いているのを見ました。それにつけても思い出すのは故郷の荘園の庭です。このとき従弟の柳宗直(りゅうそうちょく)は残務整理のためまだ永州にいました。だから、はやく追いついて来いと出発を促しています。
 結句は衡山が渡雁の南限の山と言われているのを踏まえており、自分も今まさに北へ帰ろうとしていると晴れやかに詠います。 

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