中唐84ー柳宗元
零陵早春 零陵の早春
問春従此去 春に問う 此(こ)こ従(よ)り去って
幾日到秦原 幾日か秦原(みやこ)に到ると
憑寄還郷夢 憑(たよ)り寄す 郷(ふるさと)に還(かえ)るの夢
慇懃入故園 慇懃(いんぎん)に故園(こえん)に入(はい)れ
⊂訳⊃
春よ ここを去って
幾日で都に着くのか
故郷に帰る夢を お前に託す
こころを込めて 古里の庭に入っておくれ
⊂ものがたり⊃ 帰京への諦めが深まるとともに、柳宗元の詩は短くなり、一途に古里の園池を懐かしむ詩に帰着します。詩題の「霊陵」(れいりょう)は永州の州府のある県のことです。ここでは望郷の思いは単純化され、北上する春に託して故郷に帰る夢を詠うだけです。
零陵早春 零陵の早春
問春従此去 春に問う 此(こ)こ従(よ)り去って
幾日到秦原 幾日か秦原(みやこ)に到ると
憑寄還郷夢 憑(たよ)り寄す 郷(ふるさと)に還(かえ)るの夢
慇懃入故園 慇懃(いんぎん)に故園(こえん)に入(はい)れ
⊂訳⊃
春よ ここを去って
幾日で都に着くのか
故郷に帰る夢を お前に託す
こころを込めて 古里の庭に入っておくれ
⊂ものがたり⊃ 帰京への諦めが深まるとともに、柳宗元の詩は短くなり、一途に古里の園池を懐かしむ詩に帰着します。詩題の「霊陵」(れいりょう)は永州の州府のある県のことです。ここでは望郷の思いは単純化され、北上する春に託して故郷に帰る夢を詠うだけです。