ティェンタオの自由訳漢詩 2270
南宋23ー楊万里 憫 農 農を憫む 稲雲不雨不多黄 稲雲(とううん) 雨ふらず 多くは黄(き)ならず 蕎麦空花早着霜 蕎麦(きょうばく) 空(むな)しく花さきて 早(つと)に霜を着(ちゃく)す 已分忍飢度残歳 已(すで)に分(ぶん)とす 飢えを忍んで残歳(ざんさい)を度(わた)るを 更堪歳裏閏添長...
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南宋24ー楊万里 居初夏午睡起 居の初夏 午睡 二絶句 其二 より起く 二絶句 其の二 梅子留酸軟歯牙 梅子(ばいし) 酸(さん)を留(とど)めて歯牙(しが)を軟(なん)にす 芭蕉分緑与窗紗 芭蕉(ばしょう) 緑を分かちて窓紗(そうしゃ)に与う 日長睡起無情思 日(ひ)長く...
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南宋25ー楊万里 凍 蝿 凍 蝿 隔窗偶見負暄蝿 窓を隔(へだ)てて偶々(たまたま)見る 暄(けん)を負(お)うの蝿(はえ) 双脚挼挲弄暁晴 双脚(そうきゃく)挼挲(ださ)して暁晴(ぎょうせい)を弄(ろう)す 日影欲移先会得 日影(にちえい) 移らんと欲すれば先(ま)ず会得(えとく)し 忽然飛落別窗声 忽然(こつぜん)...
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南宋26ー楊万里 寒 雀 寒 雀 百千寒雀下空庭 百千の寒雀(かんじゃく) 空庭(くうてい)に下(くだ)り 小集梅梢話晩晴 梅の梢に小集(しょうしゅう)して 晩晴(ばんせい)に話(わ)す 特地作団喧殺我 特地(とくち) 団(だん)を作(な)して 我(われ)を喧殺(けんさつ)す 忽然驚散寂無声 忽然(こつぜん)...
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南宋27ー楊万里 初入淮河三首 其一 初めて淮河に入る 三首 其の一 船離洪沢岸頭沙 船は洪沢(こうたく)岸頭(がんとう)の沙(すな)を離る 人到淮河意不佳 人は淮河(わいが)に到って 意(い) 佳(か)ならず 何必桑乾方是遠 何ぞ必ずしも桑乾(かんそう)を方(はじ)めて是(こ)れ遠しとせんや 中流以北即天涯 中流以北 即ち天涯(てんがい)...
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南宋28ー楊万里 道旁店 道旁の店 路旁野店両三家 路旁(ろぼう)の野店(やてん) 両三家(りょうさんか) 清暁無湯況有茶 清暁(せいぎょう)に湯(ゆ)無し 況(いわ)んや茶(ちゃ)有るをや 道是渠儂不好事 道(い)う 是(こ)れ 渠儂(かれ)は好事(こうじ)ならずと 青瓷瓶挿紫薇花 青瓷(せいじ)の瓶(へい)に挿す...
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南宋29ー尤袤 落 梅 落 梅 清渓西畔小橋東 清渓(せいけい)の西畔(せいはん) 小橋(しょうきょう)の東 落月紛紛水映空 月に落ちて 紛紛(ふんぷん) 水(みず)空(そら)を映す 五夜客愁花片裡 五夜(ごや)の客愁(かくしゅう) 花片(かへん)の裡(うち) 一年春事角声中 一年の春事(しゅんじ)...
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南宋30ー伝・朱熹 偶 成 偶 成 少年易老学難成 少年 老い易(や)く 学 成り難し 一寸光陰不可軽 一寸の光陰(こういん) 軽(かろ)んず可からず 未覚池塘春草夢 未(いま)だ覚(さ)めず 池塘(ちとう) 春草(しゅんそう)の夢 階前梧葉已秋声 階前(かいぜん)の梧葉(ごよう)...
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南宋31ー朱熹 試院雑詩五首 其二 試院雑詩 五首 其の二 寒燈耿欲滅 寒燈(かんとう) 耿(こう)として滅(めつ)せんと欲し 照此一窓幽 此(こ)の一窓(いっそう)を照らして幽(ゆう)なり 坐聴秋簷響 坐して秋簷(しゅうえん)の響きを聴(き)けば 淋浪殊未休 淋浪(りんろう)として 殊(こと)に未(いま)だ休(や)まず ⊂訳⊃...
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南宋32ー林升 題臨安邸 臨安の邸に題す 山外青山楼外楼 山外(さんがい)の青山(せいざん) 楼外(ろうがい)の楼 西湖歌舞幾時休 西湖(せいこ)の歌舞(かぶ) 幾時(いつ)か休(や)まん 暖風熏得游人酔 暖風(だんぷう) 熏(くん)じ得て 游人(ゆうじん)酔(え)い 直把杭州作汴州...
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南宋33ー辛棄疾 青玉案 元夕 青玉案 元夕 東風夜放花千樹 東風(とうふう) 夜(よる)放つ 花千樹(はなせんじゅ) 更吹落星如雨 更に吹き落し 星 雨の如し 宝馬雕車香満路 宝馬(ほうば) 雕車(ちょうしゃ) 香(こう) 路(みち)に満つ 鳳簫声動 鳳簫(ほうしょう)は声(こえ)動き 玉壺光転...
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南宋34ー辛棄疾 鷓鴣天 鷓鴣天 壮歳旌旗擁万夫 壮歳(そうさい) 旌旗(せいき) 万夫(ばんぷ)を擁(よう)し 錦襜突騎渡江初 錦襜(きんせん) 突騎(とっき) 渡江(とこう)の初(はじ)め 燕兵夜捉銀胡録 燕兵(えんぺい) 夜 銀胡録(ぎんころく)を捉(と)り 漢翦朝飛金僕姑 漢翦(かんせん) 朝...
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南宋35ー姜夔 疏 影 疏 影 (上片十句) 苔枝綴玉 苔(こけ)むす枝に玉(ぎょく)を綴(つづ)り 有翠禽小小 翠禽(すいきん)の小小(いとちさ)き有り 枝上同宿 枝上(しじょう)に同宿(どうしゅく)す 客裏相逢 客裏(かくり) 相逢(あいあ)う 籬角黄昏...
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南宋36ー姜夔 疏 影 疏 影 (下片十一句) 猶記深宮旧事 猶(な)お記す 深宮(しんきゅう)の旧事(きゅうじ)を 那人正睡裏 那(か)の人 正(まさ)に睡裏(すいり)にありしとき 飛近蛾緑 飛んで蛾緑(がりょく)に近づきしを 莫似春風 似る莫(なか)れ 春風(しゅんぷう)の...
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南宋37ー趙師秀 約 客 客と約す 黄梅時節家家雨 黄梅(こうばい)の時節(じせつ) 家家(かか)の雨 青草池塘処処蛙 青草(せいそう)の池塘(ちとう) 処処(しょしょ)の蛙(あ) 有約不来過夜半 約(やく)有るも来たらず 夜半を過ぎ 敲棋子落燈火 (かん)に棋子(きし)を敲(たた)いて燈火(とうか)落つ ⊂訳⊃...
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南宋38ー趙師秀 数 日 数 日 数日秋風欺病夫 数日の秋風(しゅうふう) 病夫(びょうふ)を欺(あざむ)き 尽吹黄葉下庭蕪 尽(ことごと)く黄葉を吹いて 庭蕪(ていぶ)に下(おと)す 林疎放得遥山出 林は疎(まば)らに放ち得て遥山(ようざん)出(い)で 又被雲遮一半無 又た雲に遮(さえぎ)られて...
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南宋39ー翁巻 郷村四月 郷村の四月 緑遍山原白満川 緑は山原(さんげん)に遍(あまね)く 白は川に満つ 子規声裏雨如烟 子規声裏(しきせいり) 雨は烟(けむり)の如し 郷村四月閑人少 郷村(きょうそん)の四月 閑人(かんじん)少(まれ)なり 纔了蚕桑又插田 纔(わずか)に蚕桑(さんそう)を了(おわ)れば...
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南宋40ー翁巻 即事言懐 即事 懐を言う 賦得拙疎性 賦(ふ)し得たり 拙疎(せっそ)の性(せい) 合令蹤跡賖 合(まさ)に蹤跡(しょうせき)をして 賖(とお)から令(し)むべし 相親惟野客 相親しむは 惟(た)だ野客(やかく) 所論是詩家 論ずる所は 是(こ)れ詩家 聴雨眠僧屋 雨を聴いて...
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南宋41ー徐照 過鄱陽湖 鄱陽湖を過ぐ 港中分十字 港中(こうちゅう) 十字を分(わか)ち 蜀広亦通連 蜀広(しょくこう)も亦 通じ連(つら)なる 四望疑無地 四望(しぼう) 地(ち)無きかと疑い 孤舟若在天 孤舟(こしゅう) 天に在るが若(ごと)し 龍尊収巨浪 龍(りゅう)...
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南宋42ー徐璣 憑 高 高きに憑る 憑高散幽策 高きに憑(よ)って 幽策(ゆうさく)を散ずれば 緑草満春坡 緑草(りょくそう) 春坡(しゅんぱ)に満つ 楚野無林木 楚野(そや) 林木(りんぼく)無く 湘山似水波 湘山(しょうざん) 水波(すいは)に似たり 客懐随地改 客懐(かくかい)...
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