南宋38ー趙師秀
数 日 数 日
数日秋風欺病夫 数日の秋風(しゅうふう) 病夫(びょうふ)を欺(あざむ)き
尽吹黄葉下庭蕪 尽(ことごと)く黄葉を吹いて 庭蕪(ていぶ)に下(おと)す
林疎放得遥山出 林は疎(まば)らに放ち得て遥山(ようざん)出(い)で
又被雲遮一半無 又た雲に遮(さえぎ)られて 一半(いっぱん)無し
⊂訳⊃
秋風は病人の私を あざ笑うように吹きつづけ
樹々の枯れ葉を 庭の草むらに落としてしまう
林を透かして 遠くの山が見えるようになったが
雲に遮られて また半分が見えなくなる
⊂ものがたり⊃ 詩題の「数日」(すうじつ)は冒頭の語をとったもので、無題とおなじです。全体として老いの憂愁を詠っているようですが、表現は柔和です。「病夫」は自分のことで、数日来、秋風が病気の私を「欺」(あざむく、あなどる)、つまり小馬鹿にしたように吹き、樹々の黄葉(こうよう)も庭の草むらに落ちてしまいました。
その結果、視野がひらけて遠くの山が見えるようになりましたが、すぐに雲に遮られて半分が見えなくなりました。強いて比喩を求める必要もなく、庭の眺めをとおして季節の変化をうたうものでしょう。
数 日 数 日
数日秋風欺病夫 数日の秋風(しゅうふう) 病夫(びょうふ)を欺(あざむ)き
尽吹黄葉下庭蕪 尽(ことごと)く黄葉を吹いて 庭蕪(ていぶ)に下(おと)す
林疎放得遥山出 林は疎(まば)らに放ち得て遥山(ようざん)出(い)で
又被雲遮一半無 又た雲に遮(さえぎ)られて 一半(いっぱん)無し
⊂訳⊃
秋風は病人の私を あざ笑うように吹きつづけ
樹々の枯れ葉を 庭の草むらに落としてしまう
林を透かして 遠くの山が見えるようになったが
雲に遮られて また半分が見えなくなる
⊂ものがたり⊃ 詩題の「数日」(すうじつ)は冒頭の語をとったもので、無題とおなじです。全体として老いの憂愁を詠っているようですが、表現は柔和です。「病夫」は自分のことで、数日来、秋風が病気の私を「欺」(あざむく、あなどる)、つまり小馬鹿にしたように吹き、樹々の黄葉(こうよう)も庭の草むらに落ちてしまいました。
その結果、視野がひらけて遠くの山が見えるようになりましたが、すぐに雲に遮られて半分が見えなくなりました。強いて比喩を求める必要もなく、庭の眺めをとおして季節の変化をうたうものでしょう。