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ティェンタオの自由訳漢詩 2285

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 南宋38ー趙師秀
     数 日                数 日

  数日秋風欺病夫   数日の秋風(しゅうふう)    病夫(びょうふ)を欺(あざむ)き
  尽吹黄葉下庭蕪   尽(ことごと)く黄葉を吹いて  庭蕪(ていぶ)に下(おと)す
  林疎放得遥山出   林は疎(まば)らに放ち得て遥山(ようざん)出(い)で
  又被雲遮一半無   又た雲に遮(さえぎ)られて  一半(いっぱん)無し

  ⊂訳⊃
          秋風は病人の私を  あざ笑うように吹きつづけ

          樹々の枯れ葉を   庭の草むらに落としてしまう

          林を透かして  遠くの山が見えるようになったが

          雲に遮られて  また半分が見えなくなる


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「数日」(すうじつ)は冒頭の語をとったもので、無題とおなじです。全体として老いの憂愁を詠っているようですが、表現は柔和です。「病夫」は自分のことで、数日来、秋風が病気の私を「欺」(あざむく、あなどる)、つまり小馬鹿にしたように吹き、樹々の黄葉(こうよう)も庭の草むらに落ちてしまいました。
 その結果、視野がひらけて遠くの山が見えるようになりましたが、すぐに雲に遮られて半分が見えなくなりました。強いて比喩を求める必要もなく、庭の眺めをとおして季節の変化をうたうものでしょう。

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