南宋44ー戴復古
江村晩眺 江村の晩眺
江頭落日照平沙 江頭(こうとう)の落日(らくじつ) 平沙(へいさ)を照らし
潮退漁艠擱岸斜 潮(うしお)退いて 漁艠(ぎょとう) 岸に擱(お)かれて斜めなり
白鳥一双臨水立 白鳥一双(いっそう) 水に臨(のぞ)んで立つ
見人驚起入蘆花 人を見て 驚起(きょうき)して葦花(ろか)に入る
※ 二句目の「艠」は旁が「刀」です。外字になるので同音の字に変えています。
⊂訳⊃
沈もうとする夕陽が 岸辺の砂を赤く照らし
干潟になった岸に 舟が斜めに傾いている
水辺に立っている 白鳥のつがいが
人に驚き飛び立って 葦の花咲く茂みにきえる
⊂ものがたり⊃ 詩題の「江村」は川辺の村とも長江の近くの村とも解せます。その日暮れの眺めです。川のむこうに夕陽が沈もうとして、川辺の「平沙」(平らな砂浜)を照らしています。水のひいた岸辺に「漁艠」(細身の釣り舟)が斜めに傾いて残されています。水辺につがいの白鳥がいて、人影に驚いて飛びたち、花の咲いた葦の茂みに消えてゆきました。静寂のなかの動きがとえられています。
江村晩眺 江村の晩眺
江頭落日照平沙 江頭(こうとう)の落日(らくじつ) 平沙(へいさ)を照らし
潮退漁艠擱岸斜 潮(うしお)退いて 漁艠(ぎょとう) 岸に擱(お)かれて斜めなり
白鳥一双臨水立 白鳥一双(いっそう) 水に臨(のぞ)んで立つ
見人驚起入蘆花 人を見て 驚起(きょうき)して葦花(ろか)に入る
※ 二句目の「艠」は旁が「刀」です。外字になるので同音の字に変えています。
⊂訳⊃
沈もうとする夕陽が 岸辺の砂を赤く照らし
干潟になった岸に 舟が斜めに傾いている
水辺に立っている 白鳥のつがいが
人に驚き飛び立って 葦の花咲く茂みにきえる
⊂ものがたり⊃ 詩題の「江村」は川辺の村とも長江の近くの村とも解せます。その日暮れの眺めです。川のむこうに夕陽が沈もうとして、川辺の「平沙」(平らな砂浜)を照らしています。水のひいた岸辺に「漁艠」(細身の釣り舟)が斜めに傾いて残されています。水辺につがいの白鳥がいて、人影に驚いて飛びたち、花の咲いた葦の茂みに消えてゆきました。静寂のなかの動きがとえられています。