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ティェンタオの自由訳漢詩 1931

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 盛唐25ー崔国輔
   採蓮曲              採蓮曲

  玉漵花紅発     玉漵(ぎょくじょ)  花は紅(あか)く発(さ)き
  金塘水碧流     金塘(きんとう)  水は碧(あお)く流る
  相逢畏相失     相逢(あいあ)えば相失うを畏(おそ)れ
  並著采蓮舟     並びて著(ちゃく)す  采蓮(さいれん)の舟

  ⊂訳⊃
          漵水の岸に  真っ赤な花が咲き

          美しい堤    流れは碧く澄んでいる

          逢えば別れを畏れるように

          寄りそっている採蓮の舟


 ⊂ものがたり⊃ 崔国輔は多くの民謡調の詩を作りました。詩題の「採蓮曲」は楽府題で、蓮の実採りの歌です。蓮の実は食用になり、小舟を出して採るのは若い娘の仕事でした。蓮の音「れん」が恋と通じるので、夏から秋にかけての風物詩として、恋をからめた多くの詩が作られました。「漵」は湖南の川。岸辺に咲く赤い花は、恋の花でもあるでしょう。採蓮の舟が岸に並んでもやっているように、恋人が寄りそっています。
 崔国輔は集賢院直学士、礼部員外郎などを歴任しましたが、天宝年間に御史大夫の王?(おうこう)が死罪になったとき、親族であったために連座して地方の司馬に流されました。天宝十四載(755)に亡くなり、享年は六十九歳くらいです。
 

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