盛唐25ー崔国輔
採蓮曲 採蓮曲
玉漵花紅発 玉漵(ぎょくじょ) 花は紅(あか)く発(さ)き
金塘水碧流 金塘(きんとう) 水は碧(あお)く流る
相逢畏相失 相逢(あいあ)えば相失うを畏(おそ)れ
並著采蓮舟 並びて著(ちゃく)す 采蓮(さいれん)の舟
⊂訳⊃
漵水の岸に 真っ赤な花が咲き
美しい堤 流れは碧く澄んでいる
逢えば別れを畏れるように
寄りそっている採蓮の舟
⊂ものがたり⊃ 崔国輔は多くの民謡調の詩を作りました。詩題の「採蓮曲」は楽府題で、蓮の実採りの歌です。蓮の実は食用になり、小舟を出して採るのは若い娘の仕事でした。蓮の音「れん」が恋と通じるので、夏から秋にかけての風物詩として、恋をからめた多くの詩が作られました。「漵」は湖南の川。岸辺に咲く赤い花は、恋の花でもあるでしょう。採蓮の舟が岸に並んでもやっているように、恋人が寄りそっています。
崔国輔は集賢院直学士、礼部員外郎などを歴任しましたが、天宝年間に御史大夫の王?(おうこう)が死罪になったとき、親族であったために連座して地方の司馬に流されました。天宝十四載(755)に亡くなり、享年は六十九歳くらいです。
採蓮曲 採蓮曲
玉漵花紅発 玉漵(ぎょくじょ) 花は紅(あか)く発(さ)き
金塘水碧流 金塘(きんとう) 水は碧(あお)く流る
相逢畏相失 相逢(あいあ)えば相失うを畏(おそ)れ
並著采蓮舟 並びて著(ちゃく)す 采蓮(さいれん)の舟
⊂訳⊃
漵水の岸に 真っ赤な花が咲き
美しい堤 流れは碧く澄んでいる
逢えば別れを畏れるように
寄りそっている採蓮の舟
⊂ものがたり⊃ 崔国輔は多くの民謡調の詩を作りました。詩題の「採蓮曲」は楽府題で、蓮の実採りの歌です。蓮の実は食用になり、小舟を出して採るのは若い娘の仕事でした。蓮の音「れん」が恋と通じるので、夏から秋にかけての風物詩として、恋をからめた多くの詩が作られました。「漵」は湖南の川。岸辺に咲く赤い花は、恋の花でもあるでしょう。採蓮の舟が岸に並んでもやっているように、恋人が寄りそっています。
崔国輔は集賢院直学士、礼部員外郎などを歴任しましたが、天宝年間に御史大夫の王?(おうこう)が死罪になったとき、親族であったために連座して地方の司馬に流されました。天宝十四載(755)に亡くなり、享年は六十九歳くらいです。