盛唐24ー崔国輔
長楽少年行 長楽少年行
遺却珊瑚鞭 珊瑚(さんご)の鞭(むち)を遺却(いきゃく)して
白馬驕不行 白馬(はくば) 驕(おご)りて行かず
章台折揚柳 章台(しょうだい) 揚柳(ようりゅう)を折り
春日路傍情 春日(しゅんじつ) 路傍(ろぼう)の情(じょう)
⊂訳⊃
珊瑚の鞭を忘れてきた
白馬もだだをこね 進もうとしない
色街の 柳の枝を折り取って
春の日に 路傍でうごく婀娜心
⊂ものがたり⊃ 崔国輔(さいこくほ:687?ー755)は越州山陰(浙江省紹興市)の人。開元十四年(726)に四十歳くらいで進士に及第しました。この年は玄宗の封禅の儀が行われた翌年に当たり、長安は平和と繁栄を謳歌していました。
「長楽少年行」(ちょうらくしょうねんこう)は崔国輔の代表作とされており、盛唐の長安の雰囲気を伝える秀作です。「珊瑚鞭」は珊瑚で飾った鞭。鞭を忘れて来たのは妓楼でしょう。鞭がないので乗馬も動こうとしません。だが、進もうとしないのは馬だけでしょうか。
「章台」は漢代の町の名ですが、唐代では遊里の意味に用いました。柳の枝を折るのは別れがたい心の表現です。「路傍情」は難解ですが、路傍でふと心が動くのでしょう。忘れて来たのは鞭だけではないようです。
長楽少年行 長楽少年行
遺却珊瑚鞭 珊瑚(さんご)の鞭(むち)を遺却(いきゃく)して
白馬驕不行 白馬(はくば) 驕(おご)りて行かず
章台折揚柳 章台(しょうだい) 揚柳(ようりゅう)を折り
春日路傍情 春日(しゅんじつ) 路傍(ろぼう)の情(じょう)
⊂訳⊃
珊瑚の鞭を忘れてきた
白馬もだだをこね 進もうとしない
色街の 柳の枝を折り取って
春の日に 路傍でうごく婀娜心
⊂ものがたり⊃ 崔国輔(さいこくほ:687?ー755)は越州山陰(浙江省紹興市)の人。開元十四年(726)に四十歳くらいで進士に及第しました。この年は玄宗の封禅の儀が行われた翌年に当たり、長安は平和と繁栄を謳歌していました。
「長楽少年行」(ちょうらくしょうねんこう)は崔国輔の代表作とされており、盛唐の長安の雰囲気を伝える秀作です。「珊瑚鞭」は珊瑚で飾った鞭。鞭を忘れて来たのは妓楼でしょう。鞭がないので乗馬も動こうとしません。だが、進もうとしないのは馬だけでしょうか。
「章台」は漢代の町の名ですが、唐代では遊里の意味に用いました。柳の枝を折るのは別れがたい心の表現です。「路傍情」は難解ですが、路傍でふと心が動くのでしょう。忘れて来たのは鞭だけではないようです。