Quantcast
Channel: 漢詩を楽しもう
Viewing all articles
Browse latest Browse all 554

ティェンタオの自由訳漢詩 1930

$
0
0
 盛唐24ー崔国輔
   長楽少年行          長楽少年行

  遺却珊瑚鞭     珊瑚(さんご)の鞭(むち)を遺却(いきゃく)して
  白馬驕不行     白馬(はくば)    驕(おご)りて行かず
  章台折揚柳     章台(しょうだい)  揚柳(ようりゅう)を折り
  春日路傍情     春日(しゅんじつ)  路傍(ろぼう)の情(じょう)

  ⊂訳⊃
          珊瑚の鞭を忘れてきた

          白馬もだだをこね  進もうとしない

          色街の   柳の枝を折り取って

          春の日に  路傍でうごく婀娜心


 ⊂ものがたり⊃ 崔国輔(さいこくほ:687?ー755)は越州山陰(浙江省紹興市)の人。開元十四年(726)に四十歳くらいで進士に及第しました。この年は玄宗の封禅の儀が行われた翌年に当たり、長安は平和と繁栄を謳歌していました。
 「長楽少年行」(ちょうらくしょうねんこう)は崔国輔の代表作とされており、盛唐の長安の雰囲気を伝える秀作です。「珊瑚鞭」は珊瑚で飾った鞭。鞭を忘れて来たのは妓楼でしょう。鞭がないので乗馬も動こうとしません。だが、進もうとしないのは馬だけでしょうか。
 「章台」は漢代の町の名ですが、唐代では遊里の意味に用いました。柳の枝を折るのは別れがたい心の表現です。「路傍情」は難解ですが、路傍でふと心が動くのでしょう。忘れて来たのは鞭だけではないようです。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 554

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>