盛唐23ー祖詠
終南望余雪 終南に余雪を望む
終南陰嶺秀 終南(しゅうなん) 陰嶺(いんれい)秀で
積雪浮雲端 積雪(せきせつ) 雲端(うんたん)に浮ぶ
林表明霽色 林表(りんぴょう) 霽色(せいしょく)明らかに
城中増暮寒 城中(じょうちゅう) 暮寒(ぼかん)を増す
⊂訳⊃
終南山 高く聳える北の峰
積雪が 浮雲の端に浮かんでいる
林の表面が 明るく晴れた色になり
長安の街に 夕べの寒さが増してくる
⊂ものがたり⊃ 租詠(966ー746?)は東都洛陽の人。王維と親交がありました。開元十二年(724)に二十六歳で進士に及第しますが、「終南望余雪」は科挙に出題された課題です。答案は五言六韻(十二句)の排律に作らなければならないのですが、租詠は四句作っただけで提出し、尋ねられると「これで意は尽くした」と言ったといいます。
進士に及第しますが流入(官職に就くこと)できなかったのは、詩のせいかもしれません。「終南」は終南山のこと。長安の北にありますので、「陰嶺」(北側の峰)が見えます。「林表」は林の上空と解する説もありますが、麓の林の上面に日が射して明るくなったのでしょう。これで言い尽くしたと、租詠は頑固な詩人でした。
流入できなかった租詠は汝水(河南省の川)のほとりに引き籠もって農耕生活を送り、四十八歳くらいの若さで亡くなりました。
終南望余雪 終南に余雪を望む
終南陰嶺秀 終南(しゅうなん) 陰嶺(いんれい)秀で
積雪浮雲端 積雪(せきせつ) 雲端(うんたん)に浮ぶ
林表明霽色 林表(りんぴょう) 霽色(せいしょく)明らかに
城中増暮寒 城中(じょうちゅう) 暮寒(ぼかん)を増す
⊂訳⊃
終南山 高く聳える北の峰
積雪が 浮雲の端に浮かんでいる
林の表面が 明るく晴れた色になり
長安の街に 夕べの寒さが増してくる
⊂ものがたり⊃ 租詠(966ー746?)は東都洛陽の人。王維と親交がありました。開元十二年(724)に二十六歳で進士に及第しますが、「終南望余雪」は科挙に出題された課題です。答案は五言六韻(十二句)の排律に作らなければならないのですが、租詠は四句作っただけで提出し、尋ねられると「これで意は尽くした」と言ったといいます。
進士に及第しますが流入(官職に就くこと)できなかったのは、詩のせいかもしれません。「終南」は終南山のこと。長安の北にありますので、「陰嶺」(北側の峰)が見えます。「林表」は林の上空と解する説もありますが、麓の林の上面に日が射して明るくなったのでしょう。これで言い尽くしたと、租詠は頑固な詩人でした。
流入できなかった租詠は汝水(河南省の川)のほとりに引き籠もって農耕生活を送り、四十八歳くらいの若さで亡くなりました。