Quantcast
Channel: 漢詩を楽しもう
Viewing all articles
Browse latest Browse all 554

ティェンタオの自由訳漢詩 1926

$
0
0
 盛唐20ー崔?
   長干行四首 其一     長干行 四首  其の一

  君家住何処     君(きみ)が家は何(いず)れの処(ところ)にか住む
  妾住在横塘     妾(しょう)は住んで横塘(おうとう)に在り
  停船暫借問     船を停(とど)めて暫(しばら)く借問(しゃもん)す
  或恐是同郷     或いは恐る  是(こ)れ同郷ならんかと

  ⊂訳⊃
          あなたの家は何処かしら

          わたしの住まいは横塘よ

          舟を停めて  ちょっとお尋ねいたします

          もしかしたら  同郷の人ではないかしら


 ⊂ものがたり⊃ 盛唐の新しい詩は、開元になってから進士に及第した若い知識人から湧き起こってきます。時代が清新の気を呼び起こし、詩賦の制作能力を重視した科挙によって、詩は官途をめざす者たちの間で急速に普及しました。以下、進士に及第した年の順に詩人を取り上げます。
 崔?(さいこう:704?ー754)は汴州(河南省開封市)の人。開元十一年(723)に二十歳くらいで進士に及第しました。若いころの崔?は才気の人であったらしく、新しい詩を作っています。
 詩題の「長干行」(ちょうかんこう)は楽府題で、「長干」や「横塘」は古都建康(江蘇省南京市)の南郊にあり、長江渡津の盛り場です。其の一は四句すべてが女性の言葉で、横塘の妓女になりかわって民謡調で詠います。「是れ同郷ならんか」というのは客を引く妓女の言葉です。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 554

Trending Articles