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ティェンタオの自由訳漢詩 1924

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 盛唐18ー張敬忠
     辺詩                辺詩

  五原春色旧来遅   五原(ごげん)の春色(しゅんしょく)  旧来(きゅうらい)遅く
  二月垂楊未挂糸   二月(にがつ)  垂楊(すいよう)   未(いま)だ糸を挂(か)けず
  即今河畔氷開日   即今(そくこん)  河畔(かはん)   氷(こおり)開くの日
  正是長安花落時   正(まさ)に是(こ)れ長安  花落つるの時

  ⊂訳⊃
          五原の春は  遅く来るのがならわしだ

          二月になっても  しだれ柳は芽吹かない

          黄河の岸で  やっと氷が融けはじめた日

          都長安では  まさに落花の季節であろう


 ⊂ものがたり⊃ 張敬忠(ちょうけいちゅう:生没年不明)は観察御史として将軍張仁愿(ちょうじんげん)に従い、北辺で功を立てました。帰還後、吏部郎中にすすみ、開元七年(919)に平盧(内蒙古自治区土黙特右旗)の節度使に任じられています。
 詩題の「辺詩」は辺境の詩という意味です。辺境は北の荒涼とした国境地帯をいい、南の国境には用いません。詩中の「五原」(寧夏回族自治区塩池県付近)には突厥(とっけつ)を防ぐ受降城のひとつが置かれていました。平盧からは離れていますので、張将軍に従ったときの作品かも知れません。

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