盛唐18ー張敬忠
辺詩 辺詩
五原春色旧来遅 五原(ごげん)の春色(しゅんしょく) 旧来(きゅうらい)遅く
二月垂楊未挂糸 二月(にがつ) 垂楊(すいよう) 未(いま)だ糸を挂(か)けず
即今河畔氷開日 即今(そくこん) 河畔(かはん) 氷(こおり)開くの日
正是長安花落時 正(まさ)に是(こ)れ長安 花落つるの時
⊂訳⊃
五原の春は 遅く来るのがならわしだ
二月になっても しだれ柳は芽吹かない
黄河の岸で やっと氷が融けはじめた日
都長安では まさに落花の季節であろう
⊂ものがたり⊃ 張敬忠(ちょうけいちゅう:生没年不明)は観察御史として将軍張仁愿(ちょうじんげん)に従い、北辺で功を立てました。帰還後、吏部郎中にすすみ、開元七年(919)に平盧(内蒙古自治区土黙特右旗)の節度使に任じられています。
詩題の「辺詩」は辺境の詩という意味です。辺境は北の荒涼とした国境地帯をいい、南の国境には用いません。詩中の「五原」(寧夏回族自治区塩池県付近)には突厥(とっけつ)を防ぐ受降城のひとつが置かれていました。平盧からは離れていますので、張将軍に従ったときの作品かも知れません。
辺詩 辺詩
五原春色旧来遅 五原(ごげん)の春色(しゅんしょく) 旧来(きゅうらい)遅く
二月垂楊未挂糸 二月(にがつ) 垂楊(すいよう) 未(いま)だ糸を挂(か)けず
即今河畔氷開日 即今(そくこん) 河畔(かはん) 氷(こおり)開くの日
正是長安花落時 正(まさ)に是(こ)れ長安 花落つるの時
⊂訳⊃
五原の春は 遅く来るのがならわしだ
二月になっても しだれ柳は芽吹かない
黄河の岸で やっと氷が融けはじめた日
都長安では まさに落花の季節であろう
⊂ものがたり⊃ 張敬忠(ちょうけいちゅう:生没年不明)は観察御史として将軍張仁愿(ちょうじんげん)に従い、北辺で功を立てました。帰還後、吏部郎中にすすみ、開元七年(919)に平盧(内蒙古自治区土黙特右旗)の節度使に任じられています。
詩題の「辺詩」は辺境の詩という意味です。辺境は北の荒涼とした国境地帯をいい、南の国境には用いません。詩中の「五原」(寧夏回族自治区塩池県付近)には突厥(とっけつ)を防ぐ受降城のひとつが置かれていました。平盧からは離れていますので、張将軍に従ったときの作品かも知れません。