Quantcast
Channel: 漢詩を楽しもう
Viewing all articles
Browse latest Browse all 554

ティェンタオの自由訳漢詩 1923

$
0
0
 盛唐17ー王翰
   涼州詞 其二           涼州の詞 其の二

  秦中花鳥已応闌   秦中(しんちゅう)の花鳥  已(すで)に応(まさ)に闌(たけなわ)なるべし
  塞外風沙猶自寒   塞外(さいがい)の風沙  猶(な)お自(おのず)から寒し
  夜聴胡笳折楊柳   夜に聴(き)く胡笳(こか)  折楊柳(せつようりゅう)
  教人意気憶長安   人をして意気  長安を憶(おも)わしむ

  ⊂訳⊃
          都はいまごろ  春たけなわのころだろう

          国境の外では  砂を巻き上げて寒風が吹く

          夜に聞く     胡笳の調べは「折楊柳」

          人の心に泌々と長安の街がよみがえる


 ⊂ものがたり⊃ 其の二も「塞外」(辺塞の外)に出征している兵士に成り代わって詠う詩です。「折楊柳」は楽府のひとつで、人を見送るときの歌です。その曲を演奏している「胡笳」(胡人の芦笛)の音が聞こえて来ると、長安を発ったときの別れの情景がよみがえって来ると詠います。以来、胡笳と折揚柳は辺塞詩の重要な道具立てになります。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 554

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>