盛唐12ー蘇頲
汾上驚秋 汾上にて秋に驚く
北風吹白雲 北風(ほくふう) 白雲(はくうん)を吹き
万里渡河汾 万里(ばんり) 河汾(かふん)を渡る
心緒逢揺落 心緒(しんしょ) 揺落(ようらく)に逢い
秋声不可聞 秋声(しゅうせい) 聞く可(べ)からず
⊂訳⊃
北風が 白い雲を吹き払い
万里の地 汾河を渡る
もの皆の 衰えていく音 秋に逢い
心は辛く 耳を塞いでしまいたい
⊂ものがたり⊃ 蘇頲(そてい:670ー727)は雍州武功(陝西省武功県)の人。高宗の調露二年(680)の進士との伝えがありますが、十一歳ですので疑問があります。武后の神功元年(697)に二十八歳で科挙の諸科に及第したというのが正しいのではないでしょうか。
武后に認められて左司禦率府冑曹参軍になり、観察御史、給事中などを歴任します。詩題の「汾上」は汾水(山西省の大河)のほとり、若いころ公用でこの地を訪れたときの作品でしょう。
前半二句で自分の状況を述べます。汾水は洛陽よりも北になりますので、秋は早く来ます。「揺落」は木の葉が散ることで、秋を意味します。風の音、汾水の流れの音も聞こえていたはずで、秋の寂しい音を耳にするのが辛いと若者らしい旅の感傷を詠います。
この詩は、張説の秋の詩「蜀道にて期に後る」(3月6日のブログ参照)と並んで早い時期の五言絶句の双壁と言われています。二句目にサンズイの字が三つ重なっており、筆で書くといい形になるそうです。
汾上驚秋 汾上にて秋に驚く
北風吹白雲 北風(ほくふう) 白雲(はくうん)を吹き
万里渡河汾 万里(ばんり) 河汾(かふん)を渡る
心緒逢揺落 心緒(しんしょ) 揺落(ようらく)に逢い
秋声不可聞 秋声(しゅうせい) 聞く可(べ)からず
⊂訳⊃
北風が 白い雲を吹き払い
万里の地 汾河を渡る
もの皆の 衰えていく音 秋に逢い
心は辛く 耳を塞いでしまいたい
⊂ものがたり⊃ 蘇頲(そてい:670ー727)は雍州武功(陝西省武功県)の人。高宗の調露二年(680)の進士との伝えがありますが、十一歳ですので疑問があります。武后の神功元年(697)に二十八歳で科挙の諸科に及第したというのが正しいのではないでしょうか。
武后に認められて左司禦率府冑曹参軍になり、観察御史、給事中などを歴任します。詩題の「汾上」は汾水(山西省の大河)のほとり、若いころ公用でこの地を訪れたときの作品でしょう。
前半二句で自分の状況を述べます。汾水は洛陽よりも北になりますので、秋は早く来ます。「揺落」は木の葉が散ることで、秋を意味します。風の音、汾水の流れの音も聞こえていたはずで、秋の寂しい音を耳にするのが辛いと若者らしい旅の感傷を詠います。
この詩は、張説の秋の詩「蜀道にて期に後る」(3月6日のブログ参照)と並んで早い時期の五言絶句の双壁と言われています。二句目にサンズイの字が三つ重なっており、筆で書くといい形になるそうです。