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ティェンタオの自由訳漢詩 1910

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 盛唐4ー賀知章
   囘郷偶書 其二         郷に囘って偶々書す 其の二

  離別家郷歳月多   家郷(かきょう)に離別(りべつ)して歳月(さいげつ)多し
  近来人事半銷磨   近来(きんらい)  人事   半(なか)ば銷磨(しょうま)す
  唯有門前鏡湖水   唯(た)だ門前   鏡湖(きょうこ)の水有るのみ
  春風不改旧時波   春風(しゅんぷう) 改めず  旧時(きゅうじ)の波

  ⊂訳⊃
          古里を離れて   多くの歳月が過ぎ

          近所のようすも  変わってしまった

          変わらないのは  門前の鏡湖の水

          春風が吹くと   昔と同じ波が立つ


 ⊂ものがたり⊃ 賀知章は長安で職を辞するとき、玄宗から恩賞として望むものを聞かれ、郷里にある鏡糊(浙江省紹興市の湖)を貰い受けたいと言いました。「人事」は家や近所の事柄のことで、それらはすっかり変わってしまったが、鏡湖のたたずまいだけは変わらないと詠います。

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