盛唐3ー賀知章
囘郷偶書 其一 郷に囘って偶々書す 其の一
少小離家老大囘 少小(しょうしょう)にして家を離れ 老大(ろうだい)にして囘(かえ)る
郷音無改鬢毛衰 郷音(きょうおん) 改まること無く 鬢毛(びんもう)衰(おとろ)う
児童相見不相識 児童(じどう) 相見て相識(あいし)らず
笑問客従何処来 笑って問う 客 何(いず)れの処(ところ)従(よ)り来たるかと
⊂訳⊃
若いころ家を離れて 年老いてもどってきた
お国なまりは抜けていないが 髪の毛は真っ白だ
子供らは どこの誰ともわからずに
笑いながら「おじさんはどこから着たの」と問いかける
⊂ものがたり⊃ 五十年振りに故郷に帰って身内で宴会を開いたとき、二首の詩を披露しました。賀知章は長安では少しは人に知られた存在でしたが、故郷に帰れば「児童」(孫や曾孫であろう)たちが「客 何れの処従り来たるか」と尋ねる。ほろ苦い笑いと故郷への親愛の情がこもる作品です。
囘郷偶書 其一 郷に囘って偶々書す 其の一
少小離家老大囘 少小(しょうしょう)にして家を離れ 老大(ろうだい)にして囘(かえ)る
郷音無改鬢毛衰 郷音(きょうおん) 改まること無く 鬢毛(びんもう)衰(おとろ)う
児童相見不相識 児童(じどう) 相見て相識(あいし)らず
笑問客従何処来 笑って問う 客 何(いず)れの処(ところ)従(よ)り来たるかと
⊂訳⊃
若いころ家を離れて 年老いてもどってきた
お国なまりは抜けていないが 髪の毛は真っ白だ
子供らは どこの誰ともわからずに
笑いながら「おじさんはどこから着たの」と問いかける
⊂ものがたり⊃ 五十年振りに故郷に帰って身内で宴会を開いたとき、二首の詩を披露しました。賀知章は長安では少しは人に知られた存在でしたが、故郷に帰れば「児童」(孫や曾孫であろう)たちが「客 何れの処従り来たるか」と尋ねる。ほろ苦い笑いと故郷への親愛の情がこもる作品です。