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Channel: 漢詩を楽しもう
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ティェンタオの自由訳漢詩 1909

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 盛唐3ー賀知章
   囘郷偶書 其一         郷に囘って偶々書す 其の一

  少小離家老大囘   少小(しょうしょう)にして家を離れ  老大(ろうだい)にして囘(かえ)る
  郷音無改鬢毛衰   郷音(きょうおん)  改まること無く  鬢毛(びんもう)衰(おとろ)う
  児童相見不相識   児童(じどう) 相見て相識(あいし)らず
  笑問客従何処来   笑って問う  客  何(いず)れの処(ところ)従(よ)り来たるかと

  ⊂訳⊃
          若いころ家を離れて 年老いてもどってきた

          お国なまりは抜けていないが 髪の毛は真っ白だ

          子供らは どこの誰ともわからずに

          笑いながら「おじさんはどこから着たの」と問いかける


 ⊂ものがたり⊃ 五十年振りに故郷に帰って身内で宴会を開いたとき、二首の詩を披露しました。賀知章は長安では少しは人に知られた存在でしたが、故郷に帰れば「児童」(孫や曾孫であろう)たちが「客 何れの処従り来たるか」と尋ねる。ほろ苦い笑いと故郷への親愛の情がこもる作品です。

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