南北朝42ー庾信
寄王琳 王琳に寄す
玉関道路遠 玉関(ぎょくかん) 道路(どうろ)遠く
金陵信使疏 金陵(きんりょう) 信使(しんし)疏(まれ)なり
独下千行涙 独り千行(せんこう)の涙を下(くだ)し
開君万里書 君が万里(ばんり)の書(しょ)を開く
⊂訳⊃
玉門関への道は遠く
金陵の使者はめったに来ない
私はひとり とめどなく涙を流し
万里の彼方 君から届いた書を開く
⊂ものがたり⊃ 詩題の「王琳」(おうりん)は梁の将軍で、侯景の乱の平定に功績がありました。その王琳からの書信に答える詩です。詩は二組の対句からなっており、前半の「玉関」は玉門関(甘粛省敦煌の西)のことです。庾信は現実には長安にいるわけですので、遠い異国にいることを強調していることになります。もしくは、長安の名を避けて詠っているとも考えられます。
「金陵」は南朝の都建康の古名であり、梁の使者もめったに来ないと、故国との連絡が途絶えたことを嘆きます。後半二句は簡潔な対句表現で、涙を流しながら王琳からの書信を開いたと詠うのです。
寄王琳 王琳に寄す
玉関道路遠 玉関(ぎょくかん) 道路(どうろ)遠く
金陵信使疏 金陵(きんりょう) 信使(しんし)疏(まれ)なり
独下千行涙 独り千行(せんこう)の涙を下(くだ)し
開君万里書 君が万里(ばんり)の書(しょ)を開く
⊂訳⊃
玉門関への道は遠く
金陵の使者はめったに来ない
私はひとり とめどなく涙を流し
万里の彼方 君から届いた書を開く
⊂ものがたり⊃ 詩題の「王琳」(おうりん)は梁の将軍で、侯景の乱の平定に功績がありました。その王琳からの書信に答える詩です。詩は二組の対句からなっており、前半の「玉関」は玉門関(甘粛省敦煌の西)のことです。庾信は現実には長安にいるわけですので、遠い異国にいることを強調していることになります。もしくは、長安の名を避けて詠っているとも考えられます。
「金陵」は南朝の都建康の古名であり、梁の使者もめったに来ないと、故国との連絡が途絶えたことを嘆きます。後半二句は簡潔な対句表現で、涙を流しながら王琳からの書信を開いたと詠うのです。