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ティェンタオの自由訳漢詩 1841

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 南北朝42ー庾信
   寄王琳            王琳に寄す

  玉関道路遠     玉関(ぎょくかん)  道路(どうろ)遠く
  金陵信使疏     金陵(きんりょう)  信使(しんし)疏(まれ)なり
  独下千行涙     独り千行(せんこう)の涙を下(くだ)し
  開君万里書     君が万里(ばんり)の書(しょ)を開く

  ⊂訳⊃
          玉門関への道は遠く

          金陵の使者はめったに来ない

          私はひとり   とめどなく涙を流し

          万里の彼方  君から届いた書を開く


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「王琳」(おうりん)は梁の将軍で、侯景の乱の平定に功績がありました。その王琳からの書信に答える詩です。詩は二組の対句からなっており、前半の「玉関」は玉門関(甘粛省敦煌の西)のことです。庾信は現実には長安にいるわけですので、遠い異国にいることを強調していることになります。もしくは、長安の名を避けて詠っているとも考えられます。
 「金陵」は南朝の都建康の古名であり、梁の使者もめったに来ないと、故国との連絡が途絶えたことを嘆きます。後半二句は簡潔な対句表現で、涙を流しながら王琳からの書信を開いたと詠うのです。

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