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ティェンタオの自由訳漢詩 1882

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 初唐22ー劉希夷
   代悲白頭翁         白頭を悲しむ翁に代る       (後四句)

  宛転蛾眉能幾時   宛転(えんてん)たる蛾眉(がび)   能(よ)く幾時(いくとき)ぞ
  須臾鶴髪乱如糸   須臾(しゅゆ)にして鶴髪(かくはつ) 乱れて糸の如し
  但看古来歌舞地   但(た)だ看(み)る     古来(こらい)歌舞の地
  惟有黄昏鳥雀悲   惟(た)だ黄昏(こうこん) 鳥雀(ちょうじゃく)の悲しむ有るのみ

  ⊂訳⊃
          美貌の小女よ  美しさがいつまでつづくと思うのか
          すぐに白髪が  みだれた糸のように絡みつく
          見渡せば  歌舞遊楽の地はたそがれて
          悲しげな  小鳥の声がするばかり


 ⊂ものがたり⊃ 最後の四句は、小女に向かって教訓を述べ結びとします。「蛾眉」は『詩経』の時代から美女の喩えです。「須臾」は短い時間のことで、美女もすぐに「鶴髪」(白髪)になってしまうと言います。
 そして歌舞遊楽の地であった洛陽城東の地も、日暮れに小鳥が囀るだけの寂れた土地になってしまう。人生も世の中も、みんなそんなものだと言って一首を終えるのです。
 劉希夷はこの詩を書いて一年もたたないうちに不慮の死を遂げますので、不吉な予感が働いてこの詩を書いたという説もあります。

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