南宋20ー范成大
四時田園雑興 四時田園雑興
晩春 其三 晩春 其の三
胡蝶双双入菜花 胡蝶(こちょう)双双(そうそう) 菜花(さいか)に入る
日長無客到田家 日長くして 客(かく)の 田家(でんか)に到る無し
鶏飛過籬犬吠竇 鶏(にわとり)飛んで籬(まがき)を過ぎ 犬 竇(あな)に吠ゆ
知有行商来買茶 知る 行商(ぎょうしょう)の 来たりて茶を買う有るを
⊂訳⊃
つがいの蝶々が 菜の花畑にはいっていく
春の日はながく 農家を訪れる客はいない
すると鶏が 垣根を飛びこえ犬は穴から吠えたてる
それで行商人が 茶を買いつけに来たとわかるのだ
⊂ものがたり⊃ 「晩春」其の三の詩でも、のどかな農村風景が描かれます。そこに突然、鶏がばたばたと飛びあがり、犬がくぐり穴から吠えはじめます。「竇」は犬の出入り用に掘った塀の穴のことです。何ごとかと驚きますが、例年のように行商人が茶の買いつけに来たのだと納得するのです。当時、茶は専売品で、免許のある仲買人が買い集めるものでした。
四時田園雑興 四時田園雑興
晩春 其三 晩春 其の三
胡蝶双双入菜花 胡蝶(こちょう)双双(そうそう) 菜花(さいか)に入る
日長無客到田家 日長くして 客(かく)の 田家(でんか)に到る無し
鶏飛過籬犬吠竇 鶏(にわとり)飛んで籬(まがき)を過ぎ 犬 竇(あな)に吠ゆ
知有行商来買茶 知る 行商(ぎょうしょう)の 来たりて茶を買う有るを
⊂訳⊃
つがいの蝶々が 菜の花畑にはいっていく
春の日はながく 農家を訪れる客はいない
すると鶏が 垣根を飛びこえ犬は穴から吠えたてる
それで行商人が 茶を買いつけに来たとわかるのだ
⊂ものがたり⊃ 「晩春」其の三の詩でも、のどかな農村風景が描かれます。そこに突然、鶏がばたばたと飛びあがり、犬がくぐり穴から吠えはじめます。「竇」は犬の出入り用に掘った塀の穴のことです。何ごとかと驚きますが、例年のように行商人が茶の買いつけに来たのだと納得するのです。当時、茶は専売品で、免許のある仲買人が買い集めるものでした。