Quantcast
Channel: 漢詩を楽しもう
Viewing all articles
Browse latest Browse all 554

ティェンタオの自由訳漢詩 2267

$
0
0
 南宋20ー范成大
   四時田園雑興           四時田園雑興 
     晩春 其三             晩春 其の三

  胡蝶双双入菜花   胡蝶(こちょう)双双(そうそう)  菜花(さいか)に入る
  日長無客到田家   日長くして  客(かく)の  田家(でんか)に到る無し
  鶏飛過籬犬吠竇   鶏(にわとり)飛んで籬(まがき)を過ぎ  犬  竇(あな)に吠ゆ
  知有行商来買茶   知る  行商(ぎょうしょう)の  来たりて茶を買う有るを

  ⊂訳⊃
          つがいの蝶々が  菜の花畑にはいっていく

          春の日はながく  農家を訪れる客はいない

          すると鶏が     垣根を飛びこえ犬は穴から吠えたてる

          それで行商人が  茶を買いつけに来たとわかるのだ


 ⊂ものがたり⊃ 「晩春」其の三の詩でも、のどかな農村風景が描かれます。そこに突然、鶏がばたばたと飛びあがり、犬がくぐり穴から吠えはじめます。「竇」は犬の出入り用に掘った塀の穴のことです。何ごとかと驚きますが、例年のように行商人が茶の買いつけに来たのだと納得するのです。当時、茶は専売品で、免許のある仲買人が買い集めるものでした。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 554

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>