南宋18ー范成大
州 橋 州 橋
州橋南北是天街 州橋(しゅうきょう)の南北 是(こ)れ天街(てんがい)
父老年年等駕回 父老(ふろう) 年年 駕(が)の回(かえ)るを等(ま)つ
忍涙失声詢使者 涙を忍(しの)び 声を失して 使者に詢(と)う
幾時真有六軍来 幾時(いくじ)か 真に六軍(りくぐん)の来たる有らんと
⊂訳⊃
州橋を南北へつらぬく路は 天子の道
中原の遺老は いつも御車を待っている
涙をこらえ 声を詰まらせて私に尋ねる
近衛の軍隊は いつになったら来るのでしょうか
⊂ものがたり⊃ 詩題の「州橋」は汴水に架かっていた天漢橋のことで、汴梁の街のほぼ中央にありました。自注に「南は朱雀門を望み、北は宣徳楼を望む。皆、旧(もと)の御路なり」とあり、州橋を南北に貫いて「天街」(天子の御路)が通じていました。「父老」は北宋以来の住人で金の侵攻後も北にとどまっていた人をいいます。「六軍」は近衛の軍隊であり、汴梁の遺老たちが天子の帰還を涙ながらに訴えたと詠います。
州 橋 州 橋
州橋南北是天街 州橋(しゅうきょう)の南北 是(こ)れ天街(てんがい)
父老年年等駕回 父老(ふろう) 年年 駕(が)の回(かえ)るを等(ま)つ
忍涙失声詢使者 涙を忍(しの)び 声を失して 使者に詢(と)う
幾時真有六軍来 幾時(いくじ)か 真に六軍(りくぐん)の来たる有らんと
⊂訳⊃
州橋を南北へつらぬく路は 天子の道
中原の遺老は いつも御車を待っている
涙をこらえ 声を詰まらせて私に尋ねる
近衛の軍隊は いつになったら来るのでしょうか
⊂ものがたり⊃ 詩題の「州橋」は汴水に架かっていた天漢橋のことで、汴梁の街のほぼ中央にありました。自注に「南は朱雀門を望み、北は宣徳楼を望む。皆、旧(もと)の御路なり」とあり、州橋を南北に貫いて「天街」(天子の御路)が通じていました。「父老」は北宋以来の住人で金の侵攻後も北にとどまっていた人をいいます。「六軍」は近衛の軍隊であり、汴梁の遺老たちが天子の帰還を涙ながらに訴えたと詠います。