南宋16ー范成大
後催租行 後の催租行 (後半六句)
去年衣尽到家口 去年 衣(ころも)尽きて 家口(かこう)に到り
大女臨岐両分首 大女(たいじょ) 岐(き)に臨んで両(ふた)つに分首(ぶんしゅ)す
今年次女已行媒 今年(こんねん) 次女 已(すで)に媒(ばい)を行(おこな)いしも
亦復駆将換升斗 亦(ま)た復(ま)た駆り将(も)て升斗(しょうと)に換(か)う
室中更有第三女 室中(しつちゅう) 更に第三女有り
明年不怕催租苦 明年(みょうねん) 租(そ)を催(うなが)さるる苦しみを怕(おそ)れず
⊂訳⊃
去年は売る物がなく 子供に手をつける
長女とは 村の岐れ路で別れ
今年は次女 婚約もできていたのに
売って幾らかの 米にかえた
家にはもうひとり 三番目の娘がいる
だから今年の税は 催促されても怖くない
⊂ものがたり⊃ 後半六句は前半の後段四句のつづきです。売る着物も無くなって「家口」(家族)に手をつけます。三人の娘がいましたが、去年は「大女」(長女)、今年は次女を手放して「升斗」(何升かの米)にかえました。家にはもうひとり三女がいるので、来年年貢の催促をうけても「怕れず」と強がってみせます。
※ 「升斗」の斗は豆偏に斗です。外字になるので同音の字にかえました。
後催租行 後の催租行 (後半六句)
去年衣尽到家口 去年 衣(ころも)尽きて 家口(かこう)に到り
大女臨岐両分首 大女(たいじょ) 岐(き)に臨んで両(ふた)つに分首(ぶんしゅ)す
今年次女已行媒 今年(こんねん) 次女 已(すで)に媒(ばい)を行(おこな)いしも
亦復駆将換升斗 亦(ま)た復(ま)た駆り将(も)て升斗(しょうと)に換(か)う
室中更有第三女 室中(しつちゅう) 更に第三女有り
明年不怕催租苦 明年(みょうねん) 租(そ)を催(うなが)さるる苦しみを怕(おそ)れず
⊂訳⊃
去年は売る物がなく 子供に手をつける
長女とは 村の岐れ路で別れ
今年は次女 婚約もできていたのに
売って幾らかの 米にかえた
家にはもうひとり 三番目の娘がいる
だから今年の税は 催促されても怖くない
⊂ものがたり⊃ 後半六句は前半の後段四句のつづきです。売る着物も無くなって「家口」(家族)に手をつけます。三人の娘がいましたが、去年は「大女」(長女)、今年は次女を手放して「升斗」(何升かの米)にかえました。家にはもうひとり三女がいるので、来年年貢の催促をうけても「怕れず」と強がってみせます。
※ 「升斗」の斗は豆偏に斗です。外字になるので同音の字にかえました。