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ティェンタオの自由訳漢詩 2263

 南宋16ー范成大
    後催租行             後の催租行        (後半六句)

  去年衣尽到家口   去年  衣(ころも)尽きて  家口(かこう)に到り
  大女臨岐両分首   大女(たいじょ)  岐(き)に臨んで両(ふた)つに分首(ぶんしゅ)す
  今年次女已行媒   今年(こんねん)  次女  已(すで)に媒(ばい)を行(おこな)いしも
  亦復駆将換升斗   亦(ま)た復(ま)た駆り将(も)て升斗(しょうと)に換(か)う
  室中更有第三女   室中(しつちゅう)  更に第三女有り
  明年不怕催租苦   明年(みょうねん)  租(そ)を催(うなが)さるる苦しみを怕(おそ)れず

  ⊂訳⊃
          去年は売る物がなく  子供に手をつける
          長女とは    村の岐れ路で別れ
          今年は次女  婚約もできていたのに
          売って幾らかの    米にかえた
          家にはもうひとり   三番目の娘がいる
          だから今年の税は  催促されても怖くない


 ⊂ものがたり⊃ 後半六句は前半の後段四句のつづきです。売る着物も無くなって「家口」(家族)に手をつけます。三人の娘がいましたが、去年は「大女」(長女)、今年は次女を手放して「升斗」(何升かの米)にかえました。家にはもうひとり三女がいるので、来年年貢の催促をうけても「怕れず」と強がってみせます。

   ※ 「升斗」の斗は豆偏に斗です。外字になるので同音の字にかえました。

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