南宋4ー陳与義
春 寒 春 寒
二月巴陵日日風 二月の巴陵(はりょう) 日日(にちにち)の風
春寒未了怯園公 春寒(しゅんかん)未だ了(おわ)らず 園公(えんこう)を怯(おびや)かす
海棠不惜臙脂色 海棠(かいどう)は惜(お)しまず 臙脂(えんじ)の色を
独立濛濛細雨中 独り立つ 濛濛(もうもう)たる細雨(さいう)の中(うち)
⊂訳⊃
二月になっても 岳陽の街に風が吹き
春の寒さが 小園ずまいの身を襲う
そぼ降る雨で あたり一面けむるなか
臙脂の色もあざやかに 海棠の花が立っている
⊂ものがたり⊃ 詩中に「二月」とあり、岳州についた翌年春二月の作とみられます。「巴陵」は岳州の州治のある県で、城内に巴丘という小山がありました。自注に「小園を借りて住み、ついに自ら園公と号す」とあり、春の寒風が小園に住んでいる作者を襲います。
雨中の「海棠」は杜甫の「春夜に雨を喜ぶ」(ティェンタオの自由訳漢詩630:2010.4.12のブログ参照)に「暁に紅の湿れる処を看れば 花は錦官城に重からん」とあるのを思わせます。
春 寒 春 寒
二月巴陵日日風 二月の巴陵(はりょう) 日日(にちにち)の風
春寒未了怯園公 春寒(しゅんかん)未だ了(おわ)らず 園公(えんこう)を怯(おびや)かす
海棠不惜臙脂色 海棠(かいどう)は惜(お)しまず 臙脂(えんじ)の色を
独立濛濛細雨中 独り立つ 濛濛(もうもう)たる細雨(さいう)の中(うち)
⊂訳⊃
二月になっても 岳陽の街に風が吹き
春の寒さが 小園ずまいの身を襲う
そぼ降る雨で あたり一面けむるなか
臙脂の色もあざやかに 海棠の花が立っている
⊂ものがたり⊃ 詩中に「二月」とあり、岳州についた翌年春二月の作とみられます。「巴陵」は岳州の州治のある県で、城内に巴丘という小山がありました。自注に「小園を借りて住み、ついに自ら園公と号す」とあり、春の寒風が小園に住んでいる作者を襲います。
雨中の「海棠」は杜甫の「春夜に雨を喜ぶ」(ティェンタオの自由訳漢詩630:2010.4.12のブログ参照)に「暁に紅の湿れる処を看れば 花は錦官城に重からん」とあるのを思わせます。