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ティェンタオの自由訳漢詩 2251

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 南宋4ー陳与義
     春 寒              春 寒

  二月巴陵日日風   二月の巴陵(はりょう)  日日(にちにち)の風
  春寒未了怯園公   春寒(しゅんかん)未だ了(おわ)らず  園公(えんこう)を怯(おびや)かす
  海棠不惜臙脂色   海棠(かいどう)は惜(お)しまず     臙脂(えんじ)の色を
  独立濛濛細雨中   独り立つ  濛濛(もうもう)たる細雨(さいう)の中(うち)

  ⊂訳⊃
          二月になっても  岳陽の街に風が吹き

          春の寒さが    小園ずまいの身を襲う

          そぼ降る雨で   あたり一面けむるなか

          臙脂の色もあざやかに 海棠の花が立っている


 ⊂ものがたり⊃ 詩中に「二月」とあり、岳州についた翌年春二月の作とみられます。「巴陵」は岳州の州治のある県で、城内に巴丘という小山がありました。自注に「小園を借りて住み、ついに自ら園公と号す」とあり、春の寒風が小園に住んでいる作者を襲います。
 雨中の「海棠」は杜甫の「春夜に雨を喜ぶ」(ティェンタオの自由訳漢詩630:2010.4.12のブログ参照)に「暁に紅の湿れる処を看れば 花は錦官城に重からん」とあるのを思わせます。

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