北宋67ー秦観
秋日三首 其一 秋日 三首 其の一
霜落邗溝積水清 霜は邗溝(かんこう)に落ちて 積水(せきすい)清し
寒星無数傍船明 寒星(かんせい) 無数 船に傍(そ)って明らかなり
菰蒲深処疑無地 菰蒲(こほ)深き処(ところ) 地無きかと疑えば
忽有人家笑語声 忽(たちま)ち 人家 笑語(しょうご)の声有り
⊂訳⊃
邗溝に霜の降る季節 運河の水は清らか
無数の星が寒空に瞬き 舟の進むのにつれて照らしてくれる
菰や蒲が遠くまで続き 陸地はなさそうだと思っていると
笑いながら話す人の声 人家があるのにおどろいた
⊂ものがたり⊃ 「秋日(しゅうじつ)三首」では生活の点景が描かれます。「邗溝」は長江と淮水をつなぐ大運河の部分をいい、秦観の故郷高郵の近くを通っていました。「積水」は集まった水のことで、運河の一部が湖沼のなかを通じていました。「船に傍って明らかなり」は船のすすむ両側を星が照らしているという意味で、動きがあります。
菰(まこも)や蒲(がま)の茂みがどこまでもつづいていて、陸地はなさそうだと思っていると、ふいに「笑語」(笑い声と話す声)が聞こえてきました。こんなところにも家があり、人が住んでいるのかと驚くのです。
秋日三首 其一 秋日 三首 其の一
霜落邗溝積水清 霜は邗溝(かんこう)に落ちて 積水(せきすい)清し
寒星無数傍船明 寒星(かんせい) 無数 船に傍(そ)って明らかなり
菰蒲深処疑無地 菰蒲(こほ)深き処(ところ) 地無きかと疑えば
忽有人家笑語声 忽(たちま)ち 人家 笑語(しょうご)の声有り
⊂訳⊃
邗溝に霜の降る季節 運河の水は清らか
無数の星が寒空に瞬き 舟の進むのにつれて照らしてくれる
菰や蒲が遠くまで続き 陸地はなさそうだと思っていると
笑いながら話す人の声 人家があるのにおどろいた
⊂ものがたり⊃ 「秋日(しゅうじつ)三首」では生活の点景が描かれます。「邗溝」は長江と淮水をつなぐ大運河の部分をいい、秦観の故郷高郵の近くを通っていました。「積水」は集まった水のことで、運河の一部が湖沼のなかを通じていました。「船に傍って明らかなり」は船のすすむ両側を星が照らしているという意味で、動きがあります。
菰(まこも)や蒲(がま)の茂みがどこまでもつづいていて、陸地はなさそうだと思っていると、ふいに「笑語」(笑い声と話す声)が聞こえてきました。こんなところにも家があり、人が住んでいるのかと驚くのです。