Quantcast
Channel: 漢詩を楽しもう
Viewing all articles
Browse latest Browse all 554

ティェンタオの自由訳漢詩 2242

$
0
0
 北宋67ー秦観
   秋日三首 其一        秋日 三首  其の一

  霜落邗溝積水清   霜は邗溝(かんこう)に落ちて  積水(せきすい)清し
  寒星無数傍船明   寒星(かんせい)  無数  船に傍(そ)って明らかなり
  菰蒲深処疑無地   菰蒲(こほ)深き処(ところ)    地無きかと疑えば
  忽有人家笑語声   忽(たちま)ち    人家  笑語(しょうご)の声有り

  ⊂訳⊃
          邗溝に霜の降る季節   運河の水は清らか

          無数の星が寒空に瞬き  舟の進むのにつれて照らしてくれる

          菰や蒲が遠くまで続き   陸地はなさそうだと思っていると

          笑いながら話す人の声  人家があるのにおどろいた


 ⊂ものがたり⊃ 「秋日(しゅうじつ)三首」では生活の点景が描かれます。「邗溝」は長江と淮水をつなぐ大運河の部分をいい、秦観の故郷高郵の近くを通っていました。「積水」は集まった水のことで、運河の一部が湖沼のなかを通じていました。「船に傍って明らかなり」は船のすすむ両側を星が照らしているという意味で、動きがあります。
 菰(まこも)や蒲(がま)の茂みがどこまでもつづいていて、陸地はなさそうだと思っていると、ふいに「笑語」(笑い声と話す声)が聞こえてきました。こんなところにも家があり、人が住んでいるのかと驚くのです。 

Viewing all articles
Browse latest Browse all 554

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>