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ティェンタオの自由訳漢詩 1875

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 初唐15ー盧照粼
   九月九日登玄武山     九月九日 玄武山に登る

  九月九日眺山川   九月九日  山川(さんせん)を眺め
  帰心帰望積風塵   帰心(きしん)帰望(きぼう)  風塵(ふうじん)積(つ)む
  他郷共酌金花酒   他郷  共(とも)に酌(く)む  金花(きんか)の酒
  万里同悲鴻雁天   万里  同(とも)に悲しむ  鴻雁(こうがん)の天

  ⊂訳⊃
          重陽の節句  山川の景色を眺め

          帰郷を願い  歳月は過ぎていく

          ともに飲む  他郷の酒は金花の酒

          空飛ぶ雁と  流離の想いを共に悲しむ


 ⊂ものがたり⊃ 盧照粼(ろしょうりん:634?ー680?)は幽州范陽(河北省涿県)の人。高宗のころに宗室の?王(とうおう)に仕えて詩才を認められ、新都(四川省成都市の北)の県尉になりました。同じころ追放されて蜀地にきていた王勃と交わり、交流を深めました。
 盧照粼は王勃より十六歳も年長でしたが、親しく交わり、幾つかの唱和の詩を残しています。「九月九日 玄武山に登る」は王勃の「蜀中九日」(1月13日のブログ参照)に和する作と見られ、玄武山上に望郷台がありました。詩は二組の対句からなり、形式を王勃の詩に合わせて望郷の思いを唱和しています。

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