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ティェンタオの自由訳漢詩 2208

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 北宋33ー蘇舜欽
   淮中晩泊犢頭           淮中 晩に犢頭に泊す

  春陰垂野草青青   春陰(しゅんいん)   野に垂(た)れて草(くさ)青青(せいせい)たり
  時有幽花一樹明   時に幽花(ゆうか)の  一樹(いちじゅ)に明らかなる有り
  晩泊孤舟古祠下   晩(ばん)に孤舟を泊す  古祠(こし)の下(もと)
  満川風雨看潮生   満川(まんせん)の風雨  潮(うしお)の生ずるを看(み)る

  ⊂訳⊃
          雨雲は野原に垂れ下がり  草は青々と茂っている

          時に花盛りの樹が現れて  春はわが目を驚かす

          日暮れて舟を      古い祠の辺につなぎ

          川一面の風雨のなか  潮が満ちて来るのを見詰めている


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「淮」(わい)は淮水のことです。「犢頭」(とくとう)は地名ですが未詳。平江(江蘇省蘇州市)に通じる運河の船着場のひとつと思われます。淮水の近くにあるのでしょう。
 起承句は運河を航行しているときの風景で、野原には雨雲が低く垂れ、草が青々と茂っています。そんな運河の堤の上に、花をいっぱいつけた木が突然現れて過ぎていきます。動きのある描写です。
 転結句は一転して、河畔の祠の下に舟をつなぎ一夜を過ごしたときの憶いです。川一面に雨の降るなか、満ち潮に押された水が増水してきます。その迫力のあるようすを見詰めているのです。後半には静かだが胸にせまる動きがあり、作者の心情を映し出しているものと思われます。
 

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