北宋33ー蘇舜欽
淮中晩泊犢頭 淮中 晩に犢頭に泊す
春陰垂野草青青 春陰(しゅんいん) 野に垂(た)れて草(くさ)青青(せいせい)たり
時有幽花一樹明 時に幽花(ゆうか)の 一樹(いちじゅ)に明らかなる有り
晩泊孤舟古祠下 晩(ばん)に孤舟を泊す 古祠(こし)の下(もと)
満川風雨看潮生 満川(まんせん)の風雨 潮(うしお)の生ずるを看(み)る
⊂訳⊃
雨雲は野原に垂れ下がり 草は青々と茂っている
時に花盛りの樹が現れて 春はわが目を驚かす
日暮れて舟を 古い祠の辺につなぎ
川一面の風雨のなか 潮が満ちて来るのを見詰めている
⊂ものがたり⊃ 詩題の「淮」(わい)は淮水のことです。「犢頭」(とくとう)は地名ですが未詳。平江(江蘇省蘇州市)に通じる運河の船着場のひとつと思われます。淮水の近くにあるのでしょう。
起承句は運河を航行しているときの風景で、野原には雨雲が低く垂れ、草が青々と茂っています。そんな運河の堤の上に、花をいっぱいつけた木が突然現れて過ぎていきます。動きのある描写です。
転結句は一転して、河畔の祠の下に舟をつなぎ一夜を過ごしたときの憶いです。川一面に雨の降るなか、満ち潮に押された水が増水してきます。その迫力のあるようすを見詰めているのです。後半には静かだが胸にせまる動きがあり、作者の心情を映し出しているものと思われます。
淮中晩泊犢頭 淮中 晩に犢頭に泊す
春陰垂野草青青 春陰(しゅんいん) 野に垂(た)れて草(くさ)青青(せいせい)たり
時有幽花一樹明 時に幽花(ゆうか)の 一樹(いちじゅ)に明らかなる有り
晩泊孤舟古祠下 晩(ばん)に孤舟を泊す 古祠(こし)の下(もと)
満川風雨看潮生 満川(まんせん)の風雨 潮(うしお)の生ずるを看(み)る
⊂訳⊃
雨雲は野原に垂れ下がり 草は青々と茂っている
時に花盛りの樹が現れて 春はわが目を驚かす
日暮れて舟を 古い祠の辺につなぎ
川一面の風雨のなか 潮が満ちて来るのを見詰めている
⊂ものがたり⊃ 詩題の「淮」(わい)は淮水のことです。「犢頭」(とくとう)は地名ですが未詳。平江(江蘇省蘇州市)に通じる運河の船着場のひとつと思われます。淮水の近くにあるのでしょう。
起承句は運河を航行しているときの風景で、野原には雨雲が低く垂れ、草が青々と茂っています。そんな運河の堤の上に、花をいっぱいつけた木が突然現れて過ぎていきます。動きのある描写です。
転結句は一転して、河畔の祠の下に舟をつなぎ一夜を過ごしたときの憶いです。川一面に雨の降るなか、満ち潮に押された水が増水してきます。その迫力のあるようすを見詰めているのです。後半には静かだが胸にせまる動きがあり、作者の心情を映し出しているものと思われます。