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ティェンタオの自由訳漢詩 2201

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 北宋26ー梅堯臣
    耕 牛               耕 牛

  破領耕不休     領(くび)を破りて  耕(たがや)して休(や)めず
  何暇顧羸犢     何ぞ羸犢(るいとく)を顧(かえり)みるに暇(いとま)あらん
  夜帰喘明月     夜に帰って  明月に喘(あえ)ぎ
  朝出穿深谷     朝に出でて  深谷(しんこく)を穿(うが)つ
  力雖窮田疇     力は田疇(でんちゅう)に窮(きわま)ると雖(いえど)も
  腸未飽芻菽     腸(はらわた)は未(いま)だ芻菽(すうしゅく)に飽(あ)かず
  稼收風雪時     稼收(かしゅう)   風雪(ふうせつ)の時
  又向寒坡牧     又た寒坡(かんぱ)に向(おい)て牧(ぼく)せらる

  ⊂訳⊃
          首の皮が擦り切れても  農耕をやめず
          痩せた子牛を  顧みる暇もない
          夜ふけに帰るとき  月を見上げてあえぎ
          早朝に小屋を出て  深い谷間に入っていく
          田圃の作業で     力は尽き果てようとしているのに
          餌の秣や豆は    充分に与えられない
          穫り入れが過ぎて  風雪の季節になれば
          吹きさらしの丘に   放牧される


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「耕牛」(こうぎゅう)は耕す牛。農耕用の牛を描いて農民の辛苦を歌う社会詩です。農耕の牛は唐鋤や荷車の引き綱を首にかけるので、首の皮が擦り切れています。はじめの二句は、首の皮が擦り切れるほどに働かされて、子牛に心をくばる余裕もありません。
 中四句はその労働のさまを詳しく述べ、早朝から夜更けまで働かされて餌も充分にあたえられません。結びの二句ではさらに追い打ちをかけ、収穫のあとの冬には「寒坡」(寒い吹きさらしの丘)に放牧され、休むときもないと詠います。

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