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ティェンタオの自由訳漢詩 1871

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 初唐11ー王勃
    蜀中九日            蜀中九日

  九月九日望郷台   九月九日  望郷台(ぼうきょうだい)
  他席他郷送客杯   他席他郷  客を送る杯(はい)
  人情已厭南中苦   人情 已(すで)に厭(いと)う 南中(なんちゅう)の苦(く)
  鴻雁那従北地来   鴻雁(こうがん)那(なん)ぞ  北地(ほくち)より来たる

  ⊂訳⊃
          重陽の節句に  その名も望郷台

          他郷の宴席で  送別の酒を飲む

          南の土地に   わたしは飽いてしまったのに

          雁たちは     何で北から飛んでくるのか


 ⊂ものがたり⊃ 詩題に「蜀中」とあり、蜀に追放されてからの作品です。九月九日の重陽の節句に、誰かの送別宴に招かれたときの作品でしょう。「望郷台」という名の宴会の場所に望郷の思いをかけており、望郷台は玄武山にあったことが、のちに出てくる盧照粼(ろしょうりん)の詩で分かります。
 なお、この詩は七言絶句を思わせますが、このころはまだ絶句の形式は整っておらず、前後に二つの対句を並べています。 

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