Quantcast
Channel: 漢詩を楽しもう
Viewing all articles
Browse latest Browse all 554

ティェンタオの自由訳漢詩 2151

$
0
0
 晩唐22ー羅隠
     西施                西施

  家国興亡自有時   家国(かこく)の興亡  自(おのず)から時(とき)有り
  呉人何苦進西施   呉人(ごひと)  何ぞ西施を進むるを苦しむ
  西施若解傾呉国   西施(せいし)  若(も)し解(よ)く呉国(ごこく)を傾くれば
  越国亡来又是誰   越国(えつこく)の亡びしは  又(ま)た是(こ)れ誰(た)ぞ

  ⊂訳⊃
          国家の興亡には  時の趨勢というものがある

          西施のために   呉人はなんと苦しんだことか

          もしも西施が    呉を滅ぼしたのであれば

          越が滅んだのは  誰のせいだろう


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「西施」は春秋呉越興亡の美女です。詩もわかりやすく、唐が滅んだあとの晩年の作でしょう。
 西施の説話は後漢の趙曄(ちょうよう)『呉越春秋』に基づくもので、呉に敗れた越王勾践(こうせん)が西施を呉に献上しました。呉王夫差(ふさ)は西施に溺れ、ついには越に滅ぼされてしまいます。
 呉が滅んだのは西施によるという説に対して、ならば越が滅んだのは誰のせいかと問いかけ、王朝の興亡には命運というものがあると詠います。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 554

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>