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ティェンタオの自由訳漢詩 2150

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 晩唐21ー羅隠
     偶興                偶興

  逐隊随行二十春   隊を逐(お)い行(こう)に随う  二十春(にじっしゅん)
  曲江池畔避車塵   曲江池畔(きょくこうちはん)  車塵(しゃじん)を避く
  如今贏得将衰老   如今(じょこん)    贏(か)ち得たり  衰老(すいろう)を将(もつ)て
  看人間得意人   (のどか)に看る  人間(じんかん)  得意の人

  ⊂訳⊃
          科挙にいどんで二十年  落ちては新しい列にならび

          曲江の池の畔の祝宴に  つどう車の埃を避けた

          得意満面   春を楽しむ人々を

          老いていま  のんびり眺める境地になった


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「偶興」(ぐうきょう)はたまたま興に乗って賦したという意味です。老年になって、科挙の万年落第生であった若いころを自嘲気味に詠います。
 承句の「曲江池畔 車塵を避く」は、唐代、科挙の及第者は曲江の池のほとりで天子の祝宴にあずかる習わしでした。その曲江に集まる車の車塵を避けるということで、参加できない悔しさを裏返して詠います。そんな光景も、老いて「に看る」ことができるようになったと振りかえるのです。

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