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ティェンタオの自由訳漢詩 2149

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 晩唐20ー羅隠
    感弄猴人賜           弄猴人に朱紱を賜
    朱紱                わりたるに感じて

  十二三年就試期   十二三年  試期(しき)に就き
  五湖烟月奈相違   五湖の烟月(えんげつ)  奈(なん)ぞ相違(あいたが)える
  何如学取孫供奉   何(なん)ぞ如(し)かん   孫供奉(そんぐぶ)に学ぶに
  一笑君王便著緋   君王(くんおう)を一笑せしめて便(すなわ)ち緋(ひ)を著(ちゃく)す

  ⊂訳⊃
          一二三年間も  科挙の試験を受けつづけ

          何たることか  五湖の煙月も見ずに過ごした

          猿廻しの孫供奉が  天子をひと声笑わせて

          緋の官服を賜わる  あれを真似ればよかったのだ


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「弄猴人」(さるまわし)は猿廻しの芸人のことです。長安が黄巣に占領され、僖宗が蜀に蒙塵したとき、お気に入りの孫(そん)という猿廻しに五品の「朱紱」(しゅふつ)、朱の印綬を賜わったといいます。それを聞いて「何ぞ如かん 孫供奉に学ぶに」と皮肉ります。
 「供奉」は侍従のことで、芸能の取り巻きをわざと尊称したのです。また猿のことを猢猻(こそん)といいますので「孫」とかけて天子の暗愚をほのめかすのです。「緋」は五品官の官服で高位に叙せられたことを意味します。  

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