晩唐20ー羅隠
感弄猴人賜 弄猴人に朱紱を賜
朱紱 わりたるに感じて
十二三年就試期 十二三年 試期(しき)に就き
五湖烟月奈相違 五湖の烟月(えんげつ) 奈(なん)ぞ相違(あいたが)える
何如学取孫供奉 何(なん)ぞ如(し)かん 孫供奉(そんぐぶ)に学ぶに
一笑君王便著緋 君王(くんおう)を一笑せしめて便(すなわ)ち緋(ひ)を著(ちゃく)す
⊂訳⊃
一二三年間も 科挙の試験を受けつづけ
何たることか 五湖の煙月も見ずに過ごした
猿廻しの孫供奉が 天子をひと声笑わせて
緋の官服を賜わる あれを真似ればよかったのだ
⊂ものがたり⊃ 詩題の「弄猴人」(さるまわし)は猿廻しの芸人のことです。長安が黄巣に占領され、僖宗が蜀に蒙塵したとき、お気に入りの孫(そん)という猿廻しに五品の「朱紱」(しゅふつ)、朱の印綬を賜わったといいます。それを聞いて「何ぞ如かん 孫供奉に学ぶに」と皮肉ります。
「供奉」は侍従のことで、芸能の取り巻きをわざと尊称したのです。また猿のことを猢猻(こそん)といいますので「孫」とかけて天子の暗愚をほのめかすのです。「緋」は五品官の官服で高位に叙せられたことを意味します。
感弄猴人賜 弄猴人に朱紱を賜
朱紱 わりたるに感じて
十二三年就試期 十二三年 試期(しき)に就き
五湖烟月奈相違 五湖の烟月(えんげつ) 奈(なん)ぞ相違(あいたが)える
何如学取孫供奉 何(なん)ぞ如(し)かん 孫供奉(そんぐぶ)に学ぶに
一笑君王便著緋 君王(くんおう)を一笑せしめて便(すなわ)ち緋(ひ)を著(ちゃく)す
⊂訳⊃
一二三年間も 科挙の試験を受けつづけ
何たることか 五湖の煙月も見ずに過ごした
猿廻しの孫供奉が 天子をひと声笑わせて
緋の官服を賜わる あれを真似ればよかったのだ
⊂ものがたり⊃ 詩題の「弄猴人」(さるまわし)は猿廻しの芸人のことです。長安が黄巣に占領され、僖宗が蜀に蒙塵したとき、お気に入りの孫(そん)という猿廻しに五品の「朱紱」(しゅふつ)、朱の印綬を賜わったといいます。それを聞いて「何ぞ如かん 孫供奉に学ぶに」と皮肉ります。
「供奉」は侍従のことで、芸能の取り巻きをわざと尊称したのです。また猿のことを猢猻(こそん)といいますので「孫」とかけて天子の暗愚をほのめかすのです。「緋」は五品官の官服で高位に叙せられたことを意味します。