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ティェンタオの自由訳漢詩 2147

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 晩唐18ー羅隠
      柳                  柳

  灞岸晴来送別頻   灞岸(はがん)  晴れ来たりて送別(そうべつ)頻(しき)り
  相偎相倚不勝春   相偎(あいよ)り相倚(あいよ)り  春に勝(た)えず
  自家飛絮猶無定   自家(じか)の飛絮(ひじょう)   猶(な)お定まる無く
  争解垂糸絆路人   争(いか)で解(よ)く垂糸(すいし)の路人(ろじん)を絆(つな)がん

  ⊂訳⊃
          灞水の岸辺は晴れあがり  送別の人で犇めいている

          肩を抱き合い寄り添う姿   春の風情もおよばない

          柳の出す柳絮でさえ  ゆくえも知らず飛び散るのに

          垂れた小枝で旅人を  どうして絆ぎ止められようか


 ⊂ものがたり⊃ 「柳」は詠物詩の代表的な木ですが、羅隠の詠物詩は皮肉に満ちています。「灞岸」は灞水の岸辺、長安から東へ旅立つ人の送別の場所として有名でした。承句は別れを惜しんで抱き合う人々と春風に吹かれて揺れる柳を重ねて詠います。
 「飛絮」は春に飛ぶ柳絮、「垂糸」は垂れている柳の小枝です。柳の枝を折って旅立つ人に贈る習わしでしたが、柳の出す柳絮でさえゆくえ知らずに飛び散るのに、「争で」、どうして柳の小枝で旅人を絆ぎ止められようか、絆ぎ止められはしないと詠嘆します。

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