晩唐14ー皇甫松
採蓮子 採蓮子
菡萏香連十頃陂 菡萏(かんたん) 香(かおり)は連なる十頃(じっけい)の陂(は)
小姑貪戲採蓮遅 小姑(しょうこ) 戲(ぎ)を貪(むさぼ)りて採蓮(さいれん)遅し
晩来弄水船頭湿 晩来(ばんらい) 水を弄(ろう)して船頭湿(うるお)い
更脱紅裙裹鴨児 更に紅裙(こうくん)を脱して鴨児(おうじ)を裹(つつ)む
⊂訳⊃
蓮の花のかおりが 湖面いっぱいに広がり
少女は遊びに夢中 仕事ははかどらない
日暮れになるまで 水と戯れて船頭も濡れ
紅い裙をはずして 子鴨をつかまえた
⊂ものがたり⊃ 皇甫松(こうほしょう)は生没年不詳。睦州新安(浙江省建徳県)の人といいます。韓愈の高弟皇甫(こうほしょく)の子で、大中年間に詩名がありました。詩題の「採蓮子」(さいれんし)は蓮採り人の意味ですが、詠われているのは「小姑」(小女)のようです。
「菡萏」は蓮の花、「十頃」は五十六アール、「陂」は自然にできた湖沼をさし、人工のものを池といいます。「裙」は裳裾、スカートのことですが、「更に紅裙を脱して鴨児を裹む」の一句は意味深長です。採蓮摘菱(さいれんてきりょう)は若者の恋の場でもありました。
採蓮子 採蓮子
菡萏香連十頃陂 菡萏(かんたん) 香(かおり)は連なる十頃(じっけい)の陂(は)
小姑貪戲採蓮遅 小姑(しょうこ) 戲(ぎ)を貪(むさぼ)りて採蓮(さいれん)遅し
晩来弄水船頭湿 晩来(ばんらい) 水を弄(ろう)して船頭湿(うるお)い
更脱紅裙裹鴨児 更に紅裙(こうくん)を脱して鴨児(おうじ)を裹(つつ)む
⊂訳⊃
蓮の花のかおりが 湖面いっぱいに広がり
少女は遊びに夢中 仕事ははかどらない
日暮れになるまで 水と戯れて船頭も濡れ
紅い裙をはずして 子鴨をつかまえた
⊂ものがたり⊃ 皇甫松(こうほしょう)は生没年不詳。睦州新安(浙江省建徳県)の人といいます。韓愈の高弟皇甫(こうほしょく)の子で、大中年間に詩名がありました。詩題の「採蓮子」(さいれんし)は蓮採り人の意味ですが、詠われているのは「小姑」(小女)のようです。
「菡萏」は蓮の花、「十頃」は五十六アール、「陂」は自然にできた湖沼をさし、人工のものを池といいます。「裙」は裳裾、スカートのことですが、「更に紅裙を脱して鴨児を裹む」の一句は意味深長です。採蓮摘菱(さいれんてきりょう)は若者の恋の場でもありました。