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ティェンタオの自由訳漢詩 1864

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 初唐4ー虞世南
    春夜               春夜

  春苑月裴回     春苑(しゅんえん)  月(つき)裴回(はいかい)
  竹堂侵夜開     竹堂(ちくどう)    夜を侵(おか)して開く
  驚鳥排林度     驚鳥(きょうちょう) 林を排(ひら)いて度(わた)り
  風花隔水来     風花(ふうか)    水を隔てて来たる

  ⊂訳⊃
          春の庭に  月の光が満ちあふれ

          真夜中に  竹林の堂を出る

          林の鳥は  驚いて飛び立ち

          風に吹かれた花びらが  川を越えて飛んでくる


 ⊂ものがたり⊃ 詩中の「苑」は御苑と解すると宮中の庭になりますが、ここでは自宅の庭と解します。春の夜、月の美しさに誘われて思わず庭に出て歩きまわったのでしょう。後半の二句は対句になっており、動きのある瞬間を捉えています。
 貞観期の唐の宮廷では盛んに詩が作られていましたが、南朝の宮体詩の影響が強く、虞世南の五言四句の詩以外に見るべきものは残されていない言われています。貞観十二年(638)、虞世南は八十一歳の高齢で亡くなりました。

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