中唐125ー劉禹錫
竹枝詞九首 其ニ 竹枝詞 九首 其のニ
山桃紅花満上頭 山桃(さんとう)の紅花(こうか) 上頭(じょうとう)に満つ
蜀江春水拍山流 蜀江(しょくこう)の春水(しゅんすい) 山を拍(う)って流る
花紅易衰似郎意 花 紅(くれない)にして衰え易きは 郎(ろう)が意に似て
水流無限似儂愁 水 流れて限り無きは 儂(わ)が愁いに似たり
⊂訳⊃
山の桃の紅い花 山いっぱいに咲いている
蜀江の春の水は 山に当たって流れていく
花は紅色 しおれ易いのはあなたと同じ
水の流れ 限りないのは悲しみと同じです
⊂ものがたり⊃ 詞題の「竹枝詞」(ちくしし)は曲の名です。もとは竹を題材とした素朴な歌でした。白居易にも同題の詞がありますので、競作したのでしょう。一首の内に山・花・紅・水・流・似が二回ずつ用いられ、流麗さをめざしています。
しかも前二句と後二句はそれぞれ対句になっていて、前二句は叙景に託して娘の燃え上がる恋心を描き、後二句はやるせない恋の悩みを描きます。転句に「郎が意に似て」とあることによって、恋する娘の歌であることがわかります。
竹枝詞九首 其ニ 竹枝詞 九首 其のニ
山桃紅花満上頭 山桃(さんとう)の紅花(こうか) 上頭(じょうとう)に満つ
蜀江春水拍山流 蜀江(しょくこう)の春水(しゅんすい) 山を拍(う)って流る
花紅易衰似郎意 花 紅(くれない)にして衰え易きは 郎(ろう)が意に似て
水流無限似儂愁 水 流れて限り無きは 儂(わ)が愁いに似たり
⊂訳⊃
山の桃の紅い花 山いっぱいに咲いている
蜀江の春の水は 山に当たって流れていく
花は紅色 しおれ易いのはあなたと同じ
水の流れ 限りないのは悲しみと同じです
⊂ものがたり⊃ 詞題の「竹枝詞」(ちくしし)は曲の名です。もとは竹を題材とした素朴な歌でした。白居易にも同題の詞がありますので、競作したのでしょう。一首の内に山・花・紅・水・流・似が二回ずつ用いられ、流麗さをめざしています。
しかも前二句と後二句はそれぞれ対句になっていて、前二句は叙景に託して娘の燃え上がる恋心を描き、後二句はやるせない恋の悩みを描きます。転句に「郎が意に似て」とあることによって、恋する娘の歌であることがわかります。