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ティェンタオの自由訳漢詩 2128

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 中唐125ー劉禹錫
   竹枝詞九首 其ニ       竹枝詞 九首  其のニ

  山桃紅花満上頭   山桃(さんとう)の紅花(こうか)  上頭(じょうとう)に満つ
  蜀江春水拍山流   蜀江(しょくこう)の春水(しゅんすい)  山を拍(う)って流る
  花紅易衰似郎意   花  紅(くれない)にして衰え易きは  郎(ろう)が意に似て
  水流無限似儂愁   水  流れて限り無きは  儂(わ)が愁いに似たり

  ⊂訳⊃
          山の桃の紅い花  山いっぱいに咲いている

          蜀江の春の水は  山に当たって流れていく

          花は紅色  しおれ易いのはあなたと同じ

          水の流れ  限りないのは悲しみと同じです


 ⊂ものがたり⊃ 詞題の「竹枝詞」(ちくしし)は曲の名です。もとは竹を題材とした素朴な歌でした。白居易にも同題の詞がありますので、競作したのでしょう。一首の内に山・花・紅・水・流・似が二回ずつ用いられ、流麗さをめざしています。
 しかも前二句と後二句はそれぞれ対句になっていて、前二句は叙景に託して娘の燃え上がる恋心を描き、後二句はやるせない恋の悩みを描きます。転句に「郎が意に似て」とあることによって、恋する娘の歌であることがわかります。
 

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