中唐122ー劉禹錫
堤上行三首 其一 堤上の行 三首 其の一
酒旗相望大堤頭 酒旗(しゅき)相望(あいのぞ)む 大堤(だいてい)の頭(ほとり)
堤下連檣堤上楼 堤下には檣(ほばしら)を連ね 堤上には楼(ろう)
日暮行人争渡急 日暮れて行人(こうじん) 渡るを争うこと急なり
槳声幽軋満中流 槳声(しょうせい) 幽(かす)かに軋(きし)って中流に満つ
⊂訳⊃
堤のほとりに 酒屋の旗が立ち並び
下には帆柱 上には高楼が軒を連ねる
日暮れになれば 人々は争って舟に乗り
微かに軋る櫂の音 流れのなかに満ちわたる
⊂ものがたり⊃ 詩題の「行」(うた)は歌の意味です。唐代には秦淮河の河口付近、横塘(おうとう)から長干里(ちょうかんり)にかけて長江船運の船着場が栄えていました。堤のほとりには妓楼や酒肆(しゅし)がひしめき、日暮れになると人々は争って渡し舟に乗り、歓楽街をめざします。
櫂の長大なものを櫓といい、短小なものを「槳」といいます。川の中央に小舟の櫂の音が満ちていると、渡津(としん)の夜のにぎわいを詠います。
堤上行三首 其一 堤上の行 三首 其の一
酒旗相望大堤頭 酒旗(しゅき)相望(あいのぞ)む 大堤(だいてい)の頭(ほとり)
堤下連檣堤上楼 堤下には檣(ほばしら)を連ね 堤上には楼(ろう)
日暮行人争渡急 日暮れて行人(こうじん) 渡るを争うこと急なり
槳声幽軋満中流 槳声(しょうせい) 幽(かす)かに軋(きし)って中流に満つ
⊂訳⊃
堤のほとりに 酒屋の旗が立ち並び
下には帆柱 上には高楼が軒を連ねる
日暮れになれば 人々は争って舟に乗り
微かに軋る櫂の音 流れのなかに満ちわたる
⊂ものがたり⊃ 詩題の「行」(うた)は歌の意味です。唐代には秦淮河の河口付近、横塘(おうとう)から長干里(ちょうかんり)にかけて長江船運の船着場が栄えていました。堤のほとりには妓楼や酒肆(しゅし)がひしめき、日暮れになると人々は争って渡し舟に乗り、歓楽街をめざします。
櫂の長大なものを櫓といい、短小なものを「槳」といいます。川の中央に小舟の櫂の音が満ちていると、渡津(としん)の夜のにぎわいを詠います。