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ティェンタオの自由訳漢詩 2125

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 中唐122ー劉禹錫
   堤上行三首 其一      堤上の行 三首  其の一

  酒旗相望大堤頭   酒旗(しゅき)相望(あいのぞ)む  大堤(だいてい)の頭(ほとり)
  堤下連檣堤上楼   堤下には檣(ほばしら)を連ね   堤上には楼(ろう)
  日暮行人争渡急   日暮れて行人(こうじん)  渡るを争うこと急なり
  槳声幽軋満中流   槳声(しょうせい)  幽(かす)かに軋(きし)って中流に満つ

  ⊂訳⊃
          堤のほとりに  酒屋の旗が立ち並び

          下には帆柱   上には高楼が軒を連ねる

          日暮れになれば   人々は争って舟に乗り

          微かに軋る櫂の音  流れのなかに満ちわたる


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「行」(うた)は歌の意味です。唐代には秦淮河の河口付近、横塘(おうとう)から長干里(ちょうかんり)にかけて長江船運の船着場が栄えていました。堤のほとりには妓楼や酒肆(しゅし)がひしめき、日暮れになると人々は争って渡し舟に乗り、歓楽街をめざします。
 櫂の長大なものを櫓といい、短小なものを「槳」といいます。川の中央に小舟の櫂の音が満ちていると、渡津(としん)の夜のにぎわいを詠います。

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