中唐121ー劉禹錫
金陵五題 金陵五題
烏衣巷 烏衣巷
朱雀橋辺野草花 朱雀(しゅじゃく)橋辺(きょうへん) 野草(やそう)の花
烏衣巷口夕陽斜 烏衣(うい)巷口(こうこう) 夕陽(せきよう)斜めなり
旧時王謝堂前燕 旧時(きゅうじ) 王謝(おうしゃ)堂前(どうぜん)の燕
飛入尋常百姓家 飛んで尋常(じんじょう)百姓(ひゃくせい)の家に入る
⊂訳⊃
朱雀橋の辺りには 野草の花が咲きみだれ
烏衣巷の入口には 夕陽が斜めに射している
昔栄えた王謝の邸 そこに巣くった燕たちも
いまは飛んで そこらの民家の軒先に入る
⊂ものがたり⊃ 小題の「烏衣巷」(ういこう)は内秦淮河の東南岸にあった高級住宅街で、東晋の大貴族王氏・謝氏らの邸宅がありました。建康城宣陽門(南正門)の南を秦淮河が流れ、「朱雀橋」はそこに架かっていた浮橋です。かつて栄えた朱雀橋のあたりには野草の花が咲き乱れ、烏衣巷の入口には夕陽が斜めに射しています。
転結句では燕に注目し、王・謝の邸宅に巣くっていた燕たちも、いまは「尋常百姓の家」(一般庶民の家)の軒先に入ると、富貴の家の栄枯盛衰と権力におもねる者の末路を皮肉るのです。
金陵五題 金陵五題
烏衣巷 烏衣巷
朱雀橋辺野草花 朱雀(しゅじゃく)橋辺(きょうへん) 野草(やそう)の花
烏衣巷口夕陽斜 烏衣(うい)巷口(こうこう) 夕陽(せきよう)斜めなり
旧時王謝堂前燕 旧時(きゅうじ) 王謝(おうしゃ)堂前(どうぜん)の燕
飛入尋常百姓家 飛んで尋常(じんじょう)百姓(ひゃくせい)の家に入る
⊂訳⊃
朱雀橋の辺りには 野草の花が咲きみだれ
烏衣巷の入口には 夕陽が斜めに射している
昔栄えた王謝の邸 そこに巣くった燕たちも
いまは飛んで そこらの民家の軒先に入る
⊂ものがたり⊃ 小題の「烏衣巷」(ういこう)は内秦淮河の東南岸にあった高級住宅街で、東晋の大貴族王氏・謝氏らの邸宅がありました。建康城宣陽門(南正門)の南を秦淮河が流れ、「朱雀橋」はそこに架かっていた浮橋です。かつて栄えた朱雀橋のあたりには野草の花が咲き乱れ、烏衣巷の入口には夕陽が斜めに射しています。
転結句では燕に注目し、王・謝の邸宅に巣くっていた燕たちも、いまは「尋常百姓の家」(一般庶民の家)の軒先に入ると、富貴の家の栄枯盛衰と権力におもねる者の末路を皮肉るのです。