中唐120ー劉禹錫
金陵五題 金陵五題
石頭城 石頭城
山囲故国周遭在 山は故国(ここく)を囲んで周遭(しゅうそう)として在り
潮打空城寂莫回 潮(しお)は空城(くうじょう)を打って寂莫(せきばく)として回(かえ)る
淮水東辺旧時月 淮水東辺(わいすいとうへん) 旧時(きゅうじ)の月
夜深還過女牆来 夜深くして還(ま)た女牆(じょしょう)を過ぎて来たる
⊂訳⊃
山は古都をめぐって 今もつらなり
波は城壁に当たって 寂しげに返る
秦淮河の東の辺りに 昔と変わらぬ月が出て
夜更けて城壁の垣を越え 城内を照らす
⊂ものがたり⊃ 小題の「石頭城」(せきとうじょう)は三国呉の孫権(そんけん)が赤壁の戦のあとに築いた古城で、建康城の要害でした。「故国」は古い都。建康城は周囲を山に囲まれています。石頭城の西壁は長江に接しており、もはや都城でなくなった城壁を長江の波が洗っています。
「淮水」は建康城の南を流れる秦淮河(しんわいが)のことで、その東側から昔と変わらぬ月が昇り、城壁の「女牆」(ひめ垣)を越えて城内を照らすと詠います。前半は石頭城の寂れたようすを描き、後半はは月は変わらず城壁の上に昇ると、悠久の時の流れを描いて栄華の無常を詠嘆するのです。
金陵五題 金陵五題
石頭城 石頭城
山囲故国周遭在 山は故国(ここく)を囲んで周遭(しゅうそう)として在り
潮打空城寂莫回 潮(しお)は空城(くうじょう)を打って寂莫(せきばく)として回(かえ)る
淮水東辺旧時月 淮水東辺(わいすいとうへん) 旧時(きゅうじ)の月
夜深還過女牆来 夜深くして還(ま)た女牆(じょしょう)を過ぎて来たる
⊂訳⊃
山は古都をめぐって 今もつらなり
波は城壁に当たって 寂しげに返る
秦淮河の東の辺りに 昔と変わらぬ月が出て
夜更けて城壁の垣を越え 城内を照らす
⊂ものがたり⊃ 小題の「石頭城」(せきとうじょう)は三国呉の孫権(そんけん)が赤壁の戦のあとに築いた古城で、建康城の要害でした。「故国」は古い都。建康城は周囲を山に囲まれています。石頭城の西壁は長江に接しており、もはや都城でなくなった城壁を長江の波が洗っています。
「淮水」は建康城の南を流れる秦淮河(しんわいが)のことで、その東側から昔と変わらぬ月が昇り、城壁の「女牆」(ひめ垣)を越えて城内を照らすと詠います。前半は石頭城の寂れたようすを描き、後半はは月は変わらず城壁の上に昇ると、悠久の時の流れを描いて栄華の無常を詠嘆するのです。