中唐118ー劉禹錫
望洞庭 洞庭を望む
湖光秋月両相和 湖光(ここう) 秋月(しゅうげつ) 両(とも)に相和(あいわ)す
潭面無風鏡未磨 潭面(たんめん) 風無く 鏡 未(いま)だ磨かず
遥望洞庭山翠小 遥かに望む 洞庭(どうてい) 山翠(さんすい)の小なるを
白銀盤裏一青螺 白銀盤裏(はくぎんばんり)の 一青螺(いちせいら)
⊂訳⊃
湖面の光 秋の月 互に和して響き合う
深い湖 風はなく 湖面は磨かない鏡のようだ
遥か君山を望めば 小さなみどり
白銀の大皿に置く 一個の青い田螺のようだ
⊂ものがたり⊃ 劉禹錫は二回の貶謫の際、往復とも洞庭湖を通っています。いつ作られてもおかしくありませんが、ここでは宝暦元年(825)春、夔州刺史から和州刺史に転じたときの作と考えました。
「潭面」は深い湖の水面で、風がなく磨かない鏡のように鈍色に静まっています。「洞庭山」は洞庭湖に浮かぶ君山のことで、それが「白銀盤」(白銀の大皿)に載せた青い「螺」(たにし・にな)のようだと詠います。すぐれた叙景歌で後代の多くの詩人が模倣しています。
望洞庭 洞庭を望む
湖光秋月両相和 湖光(ここう) 秋月(しゅうげつ) 両(とも)に相和(あいわ)す
潭面無風鏡未磨 潭面(たんめん) 風無く 鏡 未(いま)だ磨かず
遥望洞庭山翠小 遥かに望む 洞庭(どうてい) 山翠(さんすい)の小なるを
白銀盤裏一青螺 白銀盤裏(はくぎんばんり)の 一青螺(いちせいら)
⊂訳⊃
湖面の光 秋の月 互に和して響き合う
深い湖 風はなく 湖面は磨かない鏡のようだ
遥か君山を望めば 小さなみどり
白銀の大皿に置く 一個の青い田螺のようだ
⊂ものがたり⊃ 劉禹錫は二回の貶謫の際、往復とも洞庭湖を通っています。いつ作られてもおかしくありませんが、ここでは宝暦元年(825)春、夔州刺史から和州刺史に転じたときの作と考えました。
「潭面」は深い湖の水面で、風がなく磨かない鏡のように鈍色に静まっています。「洞庭山」は洞庭湖に浮かぶ君山のことで、それが「白銀盤」(白銀の大皿)に載せた青い「螺」(たにし・にな)のようだと詠います。すぐれた叙景歌で後代の多くの詩人が模倣しています。