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ティェンタオの自由訳漢詩 2121 

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 中唐118ー劉禹錫
     望洞庭              洞庭を望む

  湖光秋月両相和   湖光(ここう)  秋月(しゅうげつ) 両(とも)に相和(あいわ)す
  潭面無風鏡未磨   潭面(たんめん)  風無く  鏡  未(いま)だ磨かず
  遥望洞庭山翠小   遥かに望む  洞庭(どうてい)   山翠(さんすい)の小なるを
  白銀盤裏一青螺   白銀盤裏(はくぎんばんり)の   一青螺(いちせいら)

  ⊂訳⊃
          湖面の光  秋の月  互に和して響き合う

          深い湖  風はなく  湖面は磨かない鏡のようだ

          遥か君山を望めば  小さなみどり

          白銀の大皿に置く  一個の青い田螺のようだ


 ⊂ものがたり⊃ 劉禹錫は二回の貶謫の際、往復とも洞庭湖を通っています。いつ作られてもおかしくありませんが、ここでは宝暦元年(825)春、夔州刺史から和州刺史に転じたときの作と考えました。
 「潭面」は深い湖の水面で、風がなく磨かない鏡のように鈍色に静まっています。「洞庭山」は洞庭湖に浮かぶ君山のことで、それが「白銀盤」(白銀の大皿)に載せた青い「螺」(たにし・にな)のようだと詠います。すぐれた叙景歌で後代の多くの詩人が模倣しています。

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