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ティェンタオの自由訳漢詩 2120

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 中唐117ー劉禹錫
    踏歌詞               踏歌の詞

  春江月出大堤平   春江(しゅんこう)  月(つき)出でて  大堤(たいてい)平らなり
  堤上女郎連袂行   堤上(ていじょう)  女郎(じょろう)   袂(たもと)を連ねて行く
  唱尽新詞歓不見   新詞(しんし)を唱い尽くすも歓(かん)見えず
  紅霞映樹鷓鴣鳴   紅霞(こうか)  樹(き)に映じて  鷓鴣(しゃこ)は鳴く

  ⊂訳⊃
          春の長江に  月が昇って堤は平らか

          その上を   袂を連ねて娘らがいく

          はやり歌を  唱い尽くしても恋人は来ず

          夕焼け空が樹に映えて  鷓鴣が淋しく鳴くばかり


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「詞」(うた)は歌詞のことで、知識人も歌うための詩をつくるようになりました。「踏歌」(とうか)は大勢が輪になって足拍子を揃えながら唄う歌で、俗謠としてつくったものです。
 夔州時代の作とされ、「大堤」は長江の堤。「歓見えず」の歓は喜びで胸が満たされること、つまり恋人です。夕焼けの霞が樹に映えるころ、「鷓鴣」が鳴いているだけだと娘たちの失望を詠います。鷓鴣(やまうずら)はキジ科の鳥で、華南に多く分布しています。

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