中唐117ー劉禹錫
踏歌詞 踏歌の詞
春江月出大堤平 春江(しゅんこう) 月(つき)出でて 大堤(たいてい)平らなり
堤上女郎連袂行 堤上(ていじょう) 女郎(じょろう) 袂(たもと)を連ねて行く
唱尽新詞歓不見 新詞(しんし)を唱い尽くすも歓(かん)見えず
紅霞映樹鷓鴣鳴 紅霞(こうか) 樹(き)に映じて 鷓鴣(しゃこ)は鳴く
⊂訳⊃
春の長江に 月が昇って堤は平らか
その上を 袂を連ねて娘らがいく
はやり歌を 唱い尽くしても恋人は来ず
夕焼け空が樹に映えて 鷓鴣が淋しく鳴くばかり
⊂ものがたり⊃ 詩題の「詞」(うた)は歌詞のことで、知識人も歌うための詩をつくるようになりました。「踏歌」(とうか)は大勢が輪になって足拍子を揃えながら唄う歌で、俗謠としてつくったものです。
夔州時代の作とされ、「大堤」は長江の堤。「歓見えず」の歓は喜びで胸が満たされること、つまり恋人です。夕焼けの霞が樹に映えるころ、「鷓鴣」が鳴いているだけだと娘たちの失望を詠います。鷓鴣(やまうずら)はキジ科の鳥で、華南に多く分布しています。
踏歌詞 踏歌の詞
春江月出大堤平 春江(しゅんこう) 月(つき)出でて 大堤(たいてい)平らなり
堤上女郎連袂行 堤上(ていじょう) 女郎(じょろう) 袂(たもと)を連ねて行く
唱尽新詞歓不見 新詞(しんし)を唱い尽くすも歓(かん)見えず
紅霞映樹鷓鴣鳴 紅霞(こうか) 樹(き)に映じて 鷓鴣(しゃこ)は鳴く
⊂訳⊃
春の長江に 月が昇って堤は平らか
その上を 袂を連ねて娘らがいく
はやり歌を 唱い尽くしても恋人は来ず
夕焼け空が樹に映えて 鷓鴣が淋しく鳴くばかり
⊂ものがたり⊃ 詩題の「詞」(うた)は歌詞のことで、知識人も歌うための詩をつくるようになりました。「踏歌」(とうか)は大勢が輪になって足拍子を揃えながら唄う歌で、俗謠としてつくったものです。
夔州時代の作とされ、「大堤」は長江の堤。「歓見えず」の歓は喜びで胸が満たされること、つまり恋人です。夕焼けの霞が樹に映えるころ、「鷓鴣」が鳴いているだけだと娘たちの失望を詠います。鷓鴣(やまうずら)はキジ科の鳥で、華南に多く分布しています。