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ティェンタオの自由訳漢詩 2117

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 中唐114ー劉禹錫
   元和甲午歳詔書       元和甲午の歳 詔書ありて
   尽徴江湘逐客余       尽く江湘の逐客を徴す 余
   自武陵赴京宿於       は武陵より京に赴かんとし
   都亭有懐続来諸       て都亭に宿し 続来の諸君
   君子              子を懐う有り

  雲雨江湘起臥龍   雲雨江湘(うんうこうしょう)  臥龍(がりゅう)を起こす
  武陵樵客躡仙蹤   武陵の樵客(しょうかく)  仙蹤(せんしょう)を躡(ふ)む
  十年楚水楓林下   十年  楚水(そすい)   楓林(ふうりん)の下(もと)
  今夜初聞長楽鐘   今夜(こんや)初めて聞く  長楽(ちょうらく)の鐘

  ⊂訳⊃
          湘水の雲雨が  臥龍を起こす

          武陵の樵が   宮中に召される

          楚水楓林の下  十年間

          今夜はじめて  長楽宮の鐘を聞く


 ⊂ものがたり⊃ 詩題の「元和甲午」(げんなきのえうま)は元和九年の干支ですので、逐客召還の詔書は九年末に発せられたのです。翌十年春、都に入る前夜の宿「都亭」で、つづいて上京してくる友人たちに詩を書き残しました。
 「臥龍」は召還の詔書、ひいては天子をいいます。「武陵」は朗州の別名で、自分のことを「武陵の樵客」といっています。「仙蹤」は仙人の足跡で、宮中のことです。十年の間、楚地に流され楓(ふう)の林を見てすごしたが、「今夜初めて聞く 長楽の鐘」と詠嘆して見せます。

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